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三島の居酒屋2階に私設「図書館」 幅広い年代に本の楽しむ場所提供

「あひる図書館」の本棚の前に立つ徳丸さん(左)と中島さん(右)

「あひる図書館」の本棚の前に立つ徳丸さん(左)と中島さん(右)

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 三島の居酒屋「風土」(三島市芝本町)2階に11月1日、私設図書館「あひる図書館」がオープンした。

「あひる図書館」の様子

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 2階宴会スペースを改築した同施設内には、40箱のオーナー本棚を中心に約50箱の本棚を設置。施設内にはキッズスペースや子ども向けの本などをそろえ、親子向けの読書会も予定している。

 同施設を運営する、静岡東部の子育て情報発信するサークル「ママとね」代表の中島あきこさんは「主人の転勤をきっかけに、出産と育児を転居先の三島で始めたのがきっかけ。これまで育児情報を発信するサービスや情報は可視化されておらず、身寄りや友人のいない私にとって子育ては1人で行う孤独なものだった。苦労している同じ境遇の人はもっといると感じ、情報発信サイトを開設したところ、多くの賛同者や仲間が集まった」と話す。

 現在は子育て情報サイト運営のほか、年に一度行うイベントの企画、冊子「トツキトウカ」発行に取り組んでいる。中島さんは「母親たちに自分の居心地のいいサークルを紹介したいと思い、これまではあえて施設や場所の設置を考えてこなかったが、コロナ禍で集まる場所が制限されるようになり、広い立場で受け入れる場が必要と感じ、今回の図書館開設に至った」と話す。

 「焼津市にある『みんなの図書館さんかく』を見学したのが開設のきっかけ」とも。「図書館というスタイルであれば、子どもだけでなく三島に関連する多くの人が関心を示し、本というカテゴリで新たな出会いが生まれる」と中島さん。

 「風土」おかみで「ママとね」の企画担当の徳丸まゆみさんは「コロナの影響が出始めたとき、ゴボウ揚げや台湾カステラ、サバの棒ずしなどテークアウトメニューに力を入れて工夫していた。支えてくれたのは人のつながりだった。改めて人のつながりを大事にしていく施設を作り、人との交流を生みたいと感じた」と振り返る。

 40箱あるオーナー本棚は月額2,000円で貸し出しを行う。本棚のオーナーは自分で持ち込んだ本を陳列するほか、空いた時間に店番を務めることもできる。本の貸し出しは登録料300円を初回に支払い、以降は無料で最大5冊まで借りられる。

 中島さんは「三島で活躍している会社員や個人事業主、母親やアーティストなどさまざまな人がストーリーに合わせた本を置いている。その人の考えや趣味などが本から伝わってきて、会ってない人でも会いたくなる魅力を感じさせる」と話す。

 徳丸さんは「今は昼のみの営業だが、金曜は夜の図書館として開放し、本のオーナー同士や、貸主・借り主が意気投合して階下でお酒を飲みながら交流するなど、いろいろな人の居場所になってくれれば。今後はオーナーのテーマに合わせた企画を行うことで、図書館の存在に厚みを持たせたい」と意欲を見せる。

 開館時間・開館日はあひる図書館ホームページで告知する。

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