三島駅南口近くにある楽寿園(三島市一番町、TEL 055-975-2570)で10月30日より、「第63回楽寿園菊まつり」が開催される。
同イベントは施設が完成した1952(昭和27)年から数えて63回目。伊豆半島では最も歴史がある菊まつりで、期間中はおよそ6万人の集客がある同施設最大のイベント。
期間内は園内に約3万本の菊を飾り、訪れる人の目を楽しませるほか、静岡県菊花連合会による「東海菊花大会」も開催。技工を凝らした約30人の出展者による菊の展示・品評を行っている。
同イベントの名物は菊や盆栽などで作るジオラマ「盆景」。盆景の設置は23年ほど前から始まり、今年で19回目。今年は岡山県にある備中松山城の制作に挑戦。制作期間は約1カ月半で、大きさは横15メートル、縦25メートル、高さ約13メートルと壮大なものに。同園の山本希さんは「調べてみたが、これほど大きな盆景は珍しい。おそらく日本一の大きさでは」と話す。
リーダーを務めるのは同園の盆景を23年前から携わってきた同園職員の野田政美さん(51)。野田さんは今回の制作に関して、「昨年から竹田城跡など雲に浮いた城が話題になり、今年は雄大な景色と一緒に再現した」ときっかけを話す。構想はすでに昨年決定しており、設計は3カ月。制作に関しては「年々腕とスピードが上がっており、より精密で大きな作品を作ることができた」と話す。
毎年制作を行うのは、プロの舞台制作経験者でなく同園の職員たち。それぞれ、園内の樹木の管理や遊具の整備、動物の飼育など職種は多彩。野田さんは「毎年職員たちが自主的に集まり、制作物を作り上げるのは何より来場者を喜ばせたいから。毎年続けられるのも、リピーターの感想などを聞くうちに達成したいと思うから」と話す。
今回の展示の見頃は11月の中旬ごろ。山本さんは「大人が本気になって作った日本最大の盆景をぜひ見に来てほしい」と話す。
開園時間は9時~16時30分。入場料は大人300円(中学生以下無料)。期間内無休。