道の駅「くるら戸田」(沼津市戸田)で12月20日、「駿河湾深海魚シンポジウム&試食会」が開催された。主催は「へだ温泉深海魚プロジェクト」。
同地域は国内でも有数のトロール漁の盛んな港として有名で、タカアシガニやキンメダイなどの深海魚が水揚げされる港があり、深海魚を食する文化が発達した地域。
同プロジェクトは深海魚を中心にした地域活性を狙う団体で、観光協会メンバーらが中心となって結成された。今年1月に企画がスタートし、深海魚のフォトコンテストやタカアシガニのリアクションコンテストなどを開催。今年12月にはフォトコンテストの優秀作を集めたカレンダーも発行した。
同プロジェクトのリーダーである中島寿之さんは「昔からトロール漁で水揚げされたヒメカリやメギスなど、腐敗が早く流通に適さず、地元住民の食材として使われていた。今回の深海魚ブームと保存方法の発達により、深海魚に注目が浴びている。地元では普通のことで脚光を浴びなかったが、今回の動きで深海魚の街ということを最大限アピールしたい」と意欲を見せる。
イベント前半では、猿渡敏郎東京大学准教授、高見宗広東海大学非常勤講師、山崎資之県水産技術研究所・主任研究員の3人が講演。深海魚の定義や生態についての研究発表のほか、深海魚の食用利用の研究発表などを行った。
後半では地元関係者らが深海魚を使ったオリジナル料理を振る舞う試食会を開催。メニューはメギスの煮付け、メヒカリの空揚げ、ゲホウのフライなど4種。新開発の商品のほか、地元漁師が深海魚を入れて食べる伝統料理の漁師なべなどを振る舞った。
試食会には予定していた約100人が集まり、深海魚メニューを試食。埼玉県川口市から試食会に参加した本間水翔くん(7)は「柔らかくておいしい」とメヒカリの空揚げを笑顔で?張った。
今後について、中島さんは「今年は手探りで多様なイベントを行った1年。この1年をきっかけとし、今後は深海魚の街として情報発信を行っていきたい」と意気込む。