下田海中水族館(静岡県下田市3、TEL 0558-22-3567)で1月9日、「白い」タカアシガニの展示が始まった。
1967(昭和42)年に設立した同館。天然の入り江を活用した敷地には、下田周辺で採取した340種類以上の魚類や貝類を展示し、イルカやアザラシのショーを呼び物に年間約20万人が訪れる。
タカアシガニは、クモガニ科に属するカニの一種で、カニの種類の中では世界最大とされている。主な生息域は九州西部から釜石沖といわれ、駿河湾にも生息する。
同館に白いタカアシガニが最初に運び込まれたのは1月9日のこと。河津沖の深海約350メートル地点で捕獲され、甲羅の大きさを表す甲長は約16センチ。同館飼育課の都築信隆さんは「白いタカアシガニは、光の届かない深海でも目立つ存在。捕食されずにここまで育つのは珍しい」と話す。
9日から白いタカアシガニの展示を始めた同館では、16日にも地元漁師が捕獲した甲長25センチほどの白いタカアシガニを展示。現在、2匹を別水槽であるが、同時に展示している。都築さんは「10年以上同館で飼育をしているが、同時に白い個体を展示するのは当館でも初めて。非常に珍しい事例で、おそらく日本初では」と話す。
同館を訪れた大阪府在住の70代の男性は「大阪にも多くの水族館があるがこのような姿は初めて。ゆでると色は白いままなのか、非常に気になる」と話す。
同館は今後も展示を続けていく予定で、都築さんは「赤いカニと白いカニの紅白模様を見学できる、正月から縁起のいい展示。サクラの季節には観光にぜひ立ち寄ってほしい」と来場を呼び掛ける。
開館時間は9時~16時30分。入場料は、大人=2,000円、小人(4歳~小学生)=1,000円。