沼津のヒマワリ畑、見頃に 休耕地活用し地域住民が環境保全

見頃を迎えたヒマワリと、鈴木さん

見頃を迎えたヒマワリと、鈴木さん

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 気象庁が梅雨明けを宣言した7月17日、沼津の「浮島ひまわりらんど」(沼津市平沼)のヒマワリが見頃を迎えた。

ヒマワリ畑の全景

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 同所は約2000平方メートルの敷地内に約1万5000本のヒマワリが咲き、7月17日現在、八分咲きの見頃を迎えている。

 同所のヒマワリを育成しているのが、同所の有志らで構成する浮島地区環境保全推進会。同会ではヒマワリ畑の育成のほか、同地域に生息している動植物の保護と環境の保全を行いながら、地域を資源とした教育などに取り組んでいる。

 同会の推進部長で、同企画の発起人である鈴木昌宙(まさひろ)さん(75)は、ヒマワリ畑にした理由について、「ヒマワリなどの季節を感じさせる植物を植え、関心を高めていきたいと考えた。現在は、この場所を中心にヒマワリの鉢植えの際に300人ほどの参加者が集まった。中には結婚して同所を離れたのに、毎年ヒマワリの種植えを理由に里帰りする家族もいるほど」と話す。

 鈴木さんは中学校で美術の教師をしながら、自身の生まれ故郷の同地域の環境に注目。同地域は田園風景が広がるのどかな土地だったが、農業従事者が減ることにより、農作放棄地が増大。同所の環境変化を見て、「昔からあった、この場所の生態系を若い人たちにも伝えたい」と活動を始めた。

 2008年に始めたヒマワリ畑は現在で8年目。広大なヒマワリ畑は話題を呼び、観光地へと発展。シーズンを通して1万人ほどを集める名所と成長した。

 同地のヒマワリは100~130センチに成長する「ハイブリッド・サンフラワー」を採用。理由について、「子どもや車いすで来る人もヒマワリとほどよい距離で接してほしいから。子どもの顔と同じ高さなので写真も撮りやすい」と配慮も欠かさない。

 今後について、鈴木さんは「夏のヒマワリだけでなく、季節の草花を咲かせ、より多くの人に関心を持ってもらい、地域の魅力を感じてほしい。この活動を多くの人に知ってもらい、若い人の参加も呼び掛けたい」と力を込める。

 今月24日には「浮島ひまわり祭り」と題して、ヒマワリ鑑賞のほか、地場産野菜や各種イベントを予定。開催時間は9時~17時。

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