稲取細野高原(東伊豆町稲取細野高原)に群生しているススキが見頃を迎え、多くの観光客が訪れている。
高原は標高約400メートル~821メートル付近に位置し、園内には県の文化財に指定されている4カ所の湿原が存在。南東側には125ヘクタールのススキの草原が見渡せる。ススキの群生する面積は神奈川県箱根町の仙石原の7倍、東京ドーム26個分に相当する。
東伊豆町と同町観光協会は10月5月から「秋のすすきイベント」を開催しており、ガイドウオーキングを行うほか、麓では音楽やヨガ、餅まきなどの各種イベントも開く。
同地でガイドを務める富永貞弘さん(73)は「この付近は山間部が多く、田園が少ない。そのために飼料に使うワラが少なく、ススキを代用品として使う歴史があり、このような群生地が生まれたと考える。9月末にはススキが色づき、10月中旬に見頃を迎え、11月には真っ白になり周辺の空気は澄んで伊豆半島が見渡せる。さまざまな楽しみを与えてくれる」と話す。
10月5日からのイベント期間中からは、山頂にある絶景スポットまでシャトルバスで送迎するサービスを開始。参加する観光客らからは「とてもスリルがある」と話題を集めている。
絶景スポットへと運行するシャトルバスは10人乗りのワゴン車で、4台のワゴン車が巡回するもの。絶景スポットへの道のりは普通乗用車1台程度の狭さだが、約5分の道のりでは、急斜面ギリギリを走行する場面もあり、東京から来た20代の男性は「窓から景色を見ていたら道路が見えなくなった。ジェットコースターと異なるスリルがあった。まさかここでスリルを味わうとは予想もしなかった」と振り返る。
シャトルバスを運転する男性は「タクシーやバスなどの運転手として40年ほどの経験がある。細い道でも丁寧に慎重に運転しているので、安心して利用してほしい」と話す。
シャトルバスを利用した50代の女性は「バスの運行はスリルがあったが、頂上まで登った景色はとてもよかった。とてもよい秋の思い出になった」と笑顔を見せる。
シャトルバスの運行時間は10時~15時(復路最終便=15時30分)、入山料は600円。雨天中止。11月11日まで。