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沼津の銭湯跡地で「おっぱいの美術史」企画 デッサンや美術トークなど

「おっぱい」をテーマにしたスライドを見て解説をする参加者たち

「おっぱい」をテーマにしたスライドを見て解説をする参加者たち

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 沼津市内でかつて運営していた銭湯「吉田温泉」(沼津市吉田)で12月20日、トークイベント「おっぱいの美術史」が開催された。

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 主催は、伊豆半島を中心にパフォーミングアートなどを企画する集団スケイル・ラボラトリィ。今回の企画について、代表の川上大二郎さんは「かねて女性の胸部について美術的な観点から伝えるイベントを考えていて、秘宝館などを探していたがスペースの問題で折り合いがつかなかった。そのときに、沼津の吉田温泉をライブ会場として知ることになり、銭湯であれば『おっぱい』をテーマにして行うことができると発見、実行した」ときっかけを話す。

 会場となった吉田温泉は、1879年創業の大衆浴場で、現在の建物は1950(昭和25)年に建築。静岡県には9件の大衆浴場があり、同所は最後の大衆浴場と言われていた。同施設は今年から休業に入っており、今回の企画のために特別に開放されたという。

 当日は2部構成で、日中に開催された1部目では、実際のヌードモデルとデッサン会を実施。参加した函南町在住の男性は「今までクロッキーなどは行ってきたが、デッサンをするのは本当に久しぶり。女性特有の曲線を描くのが難しかったが、普段使わない脳や腕を使うことはとても刺激になった」と感想を話す。

 夜の2部は、同施設の女湯と脱衣場を使った「おっぱい」をテーマとしたトークショーを開催。前編では美術研究者でベネチア・ルネサンス絵画を中心とした西洋美術史を専門とするうすい奈美さんが登壇。うすいさんは西洋美術の絵画をスライドショーで絵画の歴史とおっぱいの関係性について披露。

 後半では作家で写真家、自身も20年以上女性の「おっぱい」を撮影しているという伴田良輔さんが登壇。伴田さんは自身の作品を通しながら、女性の胸部について遍歴を披露。美しい「おっぱい」について「膨らみのある丸型ではなく、下部に膨らみがあるものの上部はスキージャンプ台のような形をした方が魅力的だ」と黄金比を例に説明した。

 当日参加した30代の男性は「おっぱいというと、親近感があるがエロティシズムの対象として恥じらいながら見ていた感じがする。今回のイベントに参加して、おっぱいという存在が歴史的にも価値があり、多くの人が探し求めていたものだと判明し、これからも堂々と愛し続けていきたい」と話す。

 川上さんは「今回は50人もの多くの参加者が集まった。今回のちょっと変な角度からでも、美術に触れて興味を持ってもらえれば、自身としてもやりがいがあった」と振り返った。

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