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下田で「下田レモン」シャーベット 元板金工の男性、街を巻き込みブランド化へ

レモンシャーベットを持つアゴプロジェクトの梅田さん

レモンシャーベットを持つアゴプロジェクトの梅田さん

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 下田市の中心部にある商業施設「Nanz VILLAGE(ナンツ・ヴィレッジ)」で現在、「下田レモンシャーベット」が販売されている。

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 下田の農家らから無添加のレモンを買い集め、市内の食品加工工場で製造した同商品。企画を担当したアゴプロジェクトの梅田直樹さんは「全て下田の農家が作り、下田の業者が加工することを目指した」と話す。

 120ミリリットルの容器には、下田市内で採取された無添加のレモンをおよそ4分の3個使用。果肉だけでなく皮なども全部使うことによって、華やかな香りと食感を生かした。

 今回の商品のきっかけについて、梅田さんは「近隣でレモンの木を伐採する話が浮上したことがきっかけ。下田では多くのレモンが栽培されているのに、その加工品や産品がなく、自家使用が中心の流通のみで賄ってきた。しかし、農家の高齢化が進むにつれ、レモンの収穫が難しくなるという話を聞いて、レモンに付加価値を与え、高齢化でも『稼げる』レモンを目指したかった」と話す。

 シャーベットを作る地元業者を探し、加工を依頼。無農薬のレモンを選び、積極的に買い入れを行った。当初はわずかな量のシャーベットの生産だが、評判が良くSNSなどでも話題になった。現在は追加生産するほどで、次年度以降の「ブランド化」も視野に入れている。

 梅田さんは現在45歳で、高校卒業後は地元で板金工として働いていたが、娘の一言で地域の活性について考えるようになったという。「『下田はお祭りがある時はにぎやかだが、普段の日は寂しい』と言ったことが気になった。街全体をにぎやかにするのは難しいが、365日あるうちの1日でもにぎやかにする方法はないかと考えた」

 その後板金工を退職し、現在はNanz VILLAGEのスタッフらと施設の運営やイベントの企画を行う。「収入は減ってしまったが、数年経験して365日の1日を盛り上げられたと思うようになってきた」と笑顔を見せる。

 「下田レモンもブランド化していけば、今後さまざまなブランドで農家や製造者などが日の目を見ることになる」と話す梅田さん。「自分は父の代からの移住者で、周囲から見ればまだよそ者と思われているかもしれないが、その感覚を生かしながら、自分の生まれ育った地域をより楽しい街にしていければ」と抱負を話す。

 シャーベットの価格は400円。数量がなくなり次第終売。

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