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三島のギャラリーで家具作家の企画展 「自然」をテーマに

新作「Hexcolony」と近藤さん

新作「Hexcolony」と近藤さん

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 さんしんギャラリー善(三島市芝本町)で4月1日から、「創作家具 近藤正樹展」が行われている。

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 同施設は三島信用金庫が2011年に創立100周年を記念した開設した施設で、地元伊豆半島を中心にしたアーティストや作家を紹介する。会期は1日~25日までの1カ月間開催するのが特徴で、同施設の福王寛子さんは展示内容について「伊豆の作家は師弟関係が少なく、自由な発想の作品が多い」と話す。

 現在開催している作家の近藤正樹さんは2015年に続き2度目の開催。ギャラリーには近藤さんの新作を含む家具20点を展示している。

 近藤さんは1979(昭和54)年生まれの38歳。埼玉県の出身で幼い頃から土遊びや工作が大好きな少年として育ち、高校生の頃からベンチやテーブルなどを自作していたという。大学は文学部に進学し、4年生の時には周囲と同じく就職活動に専念もした。

 近藤さんは、大学生のときに受けた最終面接を直前に「本当に自分が携わる仕事が何か、振り戻って考えてみた。それまでは疑問や考えることがなかったが、本当に何がしたいのか、改めて考えた」結果、最終面接を辞退し、家具職人になるべく岐阜県へと移住し修業を積んだ。

 岐阜で2年の修業し、アイルランドで北欧家具に3年従事した後に帰国。帰国後に自身の工房を作ることを目的とした旅をしていたときに函南町丹那にある、かつて丹那牛乳の瓶詰め工場であった施設にほれ、移住。現在も家族で住みながらオーダーメード家具の製作と家具作家としての活動を行っている。

 近藤さんの作品に共通するテーマは「生き物」。今回の展示品にも「葉」「大地」などをテーマにした作品が多い。近藤さんはその理由について「人造で作り上げてきた造作物は、その受け継がれた命や、繋がる生命力を感じない。生物の営みはたった1代で行われるものでなく、長い時間を掛けて受け継がれたもの。その長く育まれた歴史を表現したかった」と話す。

生物と家具の融合について「通常の家具では必須の条件になっている要件をあえて外す作業などを行っている。安定するためには家具には脚が必要だが、その条件をあえて外すことによって新しい発想が生まれる」(近藤さん)と話す。

 今後については、「多くの老若男女の人に作品を見てほしいという思いがある。今後は1作品だけでなく、天井から床、壁までも作品で埋め尽くす企画を行っていきたい」と意欲を見せる。

 ギャラリーの運営時間は10時~18時(最終日は17時まで)。入場無料。今月25日まで。

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