三島の人づくりを目指した複合施設「みしま未来研究所」(三島市中央町)が1月12日、開所する。運営はNPO法人みしまびと。
同地は三島市の中心地に位置し、園舎・園庭を含め敷地面積はおよそ840平方メートル。その歴史は古く、120年ほど地域の子どもたちの学びやとして活躍し、耐震構造を満たしていない問題や、園児の減少などを理由に2011年に閉園した。
この企画は、市が園舎の利活用を公募したことに、同市に本社を構える加和太建設(文教町)と同法人が共同提案したもの。同法人の事務局長である村上萌さんは「教育の場という幼稚園の特性を生かし、30年後の未来をつくる人の成長の場になってほしい、という願いがある」と意気込みを話す。
施設は市民の協働を促す「コワーキングスペース」やイベントや会議が行える「多目的スペース」、インターンシップ事業や起業家排出を目指す「高校生の部屋」などに別れていて、それぞれ目的に合わせた活動を計画中。中には「Cafe&Bar Blooming(ブルーミング)」という飲食施設も併設する。
同法人設立のきっかけであり、市民らが制作に参加した映画の英名「Blossoming Into A Family」をから引用した同店は、伊豆を中心に全国のクラフトビール80種類を用意したカフェ・バーで、スタンド席中心の店内には30人ほどが収容可能。
店内のクラフトビールは400円から用意し、中心価格帯は600円。つまみは現在缶詰が中心で、注文は全てガチャガチャ(500円・100円)のカプセルトイで販売する。
「コワーキングや多目的室など、施設に目的がある人が集まるだけでなく、何気なく集まった人が交流できる場所を、と考えた。クラフトビールを飲みながら、人がつながっていき、その場を利用する人が増えてくれれば」(村上さん)と期待を寄せる。
店長は法人のメンバーが日替わりで行う予定。2月からは「一日店長」も募集する。一日店長の業務は面談で決めるという。村上さんは「厳密なルールを設けないで、その人オリジナルの自由な発想を相談しながら条件を決めていきたい。この場を利用した新しいチャレンジを行う人に、ぜひ店長になってほしい」と話す。
営業時間は9時~21時(バーのは10時~21時・日曜=10時~18時。月曜定休)。