日本競輪学校(伊豆市大野)で3月20日、卒業式が行われた。
日本競輪学校はプロの競輪選手育成を目的とした日本で唯一の専門学校で、携帯電話の利用制限や、制約の多い寮生活で知られる。毎年全国から多くのアスリートたちが門戸をたたき、同校で約10カ月の教程を経て競輪選手資格取得を目指す。
この日行われた卒業式には、卒業生90人(男子=69人、女子=21人)が出席。会場では一人ひとりの名前が呼ばれ、学び舎を巣立つ生徒らが緊張の面持ちで卒業証書を受け取った。式典後には、平成最後の卒業行事となる恒例の「帽子投げ」を行い、10カ月の合宿生活に別れを告げた。
卒業生たちは校舎前で同窓生たちに別れのあいさつを交わした後、父母らの迎えの車に乗り込み故郷へと帰っていった。資格を保有する卒業生たちは今後、5月に47都道府県内で選手登録を行い、7月の初陣を迎えることとなる。
静岡県での登録を予定している久米詩さん(19)は「父が元競輪選手で現在は競輪学校の教官を勤めている。自分の身体ひとつで家庭を守った父に憧れ、この世界に入る決意をした」と話す。
久米さんは「目標は父。父のように多くの人に愛される選手になりたい。レースはもちろん、競輪の世界の魅力も発信していけたら」と意気込む。