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沼津のファッショッンをもっと自由に。 テーラーが紡いできた沼津の半世紀。

提供:サルトリア・ルイ 制作:沼津経済新聞

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 愛用しているアイテムや服で、その人のスタイルが決まってくる。耳につけるイヤリングや、腕につけている時計、ネクタイの1本でも「あなたらしさ」を象徴するひとつ。

 今回は、オーダーメードで沼津のファッションを切り開いてきた「ルイ」の半世紀にわたる物語。ルイが語る、沼津の「ファッション」と街の風景とは?

今年で50年を迎える「自由で楽しい場所」オーダースーツの「お作法」とは?

 ルイは1972(昭和47)年12月創業。現在の店主・輝之さんの母である道代さんが当時の富士急百貨店2階の一角に洋品店をオープンした。流行のアイテムが並ぶ中、道代さんによる婦人服のオーダーを受け付けていた同店。当時はDCブランド全盛期で、デパートは最先端のファッションがそろう、おしゃれで華やかな場所だった。

先代の社長で輝之さんの母である道子さん

 その後、店舗と一緒の年に生まれ、育った輝之さんは、高校を卒業後に東京の服飾専門学校へ進学。母の背中を見て育った輝之さん自身も、ファッションの道へと進んでいく。

若き日の勝又さん

 輝之さんは専門学校卒業後、地元沼津に戻り、母の道代さんの右腕として、同店を支え始める。輝之さんは母がメインで行っているオーダーメイド婦人服をそのまま、2015(平成27)年、同店2階に紳士服専門店「サルトリア・ルイ」をオープン。輝之さんの腕のよさは沼津中で評判を呼び、老紳士から初めてスーツを作る若い青年まで幅広い層が集まるようになっていった。「一張羅を作るならルイへ」輝之さんの仕事は、沼津の人にファッションへの興味を持たせる重要な役割を担っている。

来店客の様々な要望をかなえる勝又さん

 「オーダースーツは安いものであれば数万円から。お客様に値段を提示すると、安さに拍子抜けする人もいるんです。いきなりフルオーダースーツを作るのではなく、スーツをあつらえる作業の始まりとして、会話を大切にしたい。あなたの趣味や思い出、なりたい姿をお聞きしながら最良のスタイルをイメージしていければ、と思っています」輝之さんは、ルイを「自由で楽しい場所」に仕上げていきたいと考えている。

ある会計事務所社長のオーダースーツ

 通常、オーダースーツというと堅苦しいイメージが先行するが、テーラーは、あなたのなりたい姿を実現する場所と言ってもいい。この店には、自由にあなたの夢や希望を伝えることができ、その言葉を受け止める店主が優しく待ち構えている。

スーツだけじゃない、エプロンやワンピースも「イメージ」があれば実現可能に

 「自分は普段オシャレなスーツを着るより普段着が多いから・・・」と思われる人もいるだろう。しかし、ルイではスーツのオーダーだけでなく、ありとあらゆる服をオーダーメイドで作ってくれる。

着る人のストーリーを彩るエプロンも

 例えば、キャンプ好きでアクティブな週末を過ごす人のために作られた「週末専用エプロン」は、街の情報発信をなりわいにする青年のために設計された特注品。ベルト部分のマチには、街の情報を記録するためのペンや、イベント施設を造成するためのトンカチなど、さまざまなアイテムが収納できる。ポケットの数が多いのは、青年が用途別に使い分けるために設計された。かがんだ時にスマートフォンや財布が滑り落ちないように十分な深さのポケットも用意するなど、既製の服では行き届かない心配りとセンスの良さが、週末にエプロンを付ける人の魅力を鮮やかに演出する。ルイではあなたの「人となり」をオーダーメイドであつらえてくれる。

女性のイメージに合わせた洋服を提案。世界に1着しかない「あなたらしさ」

 男性のオーダーはもちろんのこと、女性に人気があるのも、婦人服を取り扱って半世紀の衣料品店ならでは。3世代にわたってルイを利用するお客様もいるという。ルイは常に地域と一緒にファッションと人の歴史を見つめている。

女性の個性を引き出す、特別な一着。

 「女性は、授業参観や改まった場への訪問などに自分らしい服を選んで行くと、気持ちが引き締まり、身なりや言動もかっこよくなるんです」。今まで約1万8000人の洋服を手がけた輝之さんは話す。

 働く女性をテーマにしたオリジナルスーツブランド「Chlocheri(クロッシェリ)」。生地選びからデザイン、ボタンなどのディテールまで自由自在。

 「映画に出ていたあの女優の服を作って」というオーダーもあれば「記者会見に出ていた女性のワンピースが欲しい」「推しメンバーのカラーに合わせたエプロンを作って」など要望はさまざま。その声からイメージを膨らませ、世界にひとつしかない「わたしらしい」スタイルが生まれる。「ルイは女性の憧れをかなえてくれる場所」と言う人もいるという。

「推しメンバー」と同じカラーのエプロン。日常作業も「ハレ」になる一着。

 輝之さんは「ここ一番の大舞台のとき、既製の服で万が一誰かと同じ格好でかぶってしまったら、気まずくて自信がなくなってしまうかもしれない。世界にひとつだけのオリジナルの服であれば、堂々とやり遂げられるだろう。私たちはお客様の要望に応えながら、スタイルに合わせたオリジナルを提供していくことを価値として半世紀。お客様の大まかなイメージでも、しっかりと具現化していくことが可能だ」と、街のプレタポルテは自信を見せる

 2020年にルイの仲間になった「miwa」ではオーダーメイドとは異なるこだわりのレディースカジュアルアイテムをそろえている。女性の目線で提案する経験豊かなスタッフたちは、急な服の仕立てやコーディネートなどの時も、あなたの魅力を生かすアドバイスをしてくれるだろう。

新しいルイのブランドとして誕生したMIWA

あなたのストーリーを紡ぐテーラーに。50年を経過してもなお進化するルイ

 ルイが50周年を迎えた2022年。輝之さんは沼津市が主催する「リブランディング塾」に、塾生からリブランディングを提案される店舗として参加した。老舗でありながら新しい改革意識を持って挑戦。動機について輝之さんは「沼津には変化が必要。街を変えるなら、まず自分が街のことを知るきっかけを作りたいと思った」と話す。

2022年に発表を行ったリブランディング塾のメンバーたち

 集まったメンバーからの意見で、輝之さんは母から受け継いだ事業を別の視点から見る機会を得た。「テーラー」をもじって「ストーリーテーラー」という企画が立ち上がった。輝之さんはモデル役となる10人の人生や趣味の話しに耳を傾け、その人に合わせたスタイルを提案し、オーダーメイドの洋服を製作。モデル役を務めたのは沼津のBMXライダーやIT会社社長、ファイナンシャルプランナー、子育て中の主婦など。輝之さんが仕立てた洋服を着て、プロカメラマンが撮影した写真は、沼津駅地下道の掲示板にストーリーと共に掲示された。

新たなストーリーを紡ぐためのファッションの製作も

 輝之さんは今後について「過去には戻れない、新しい沼津と将来の展望を話す。

 街のテーラーは、着飾る人々の「物語」を彩り、それを表現する店。母の道代さんと輝之さんは、沼津の50年の物語を語る洋服店となった。そして今後も沼津を着飾る重要なオーダーサロンとして活躍していくだろう。

サルトリア・ルイ

住所:〒410-0801 静岡県沼津市大手町5-2-7 2F
電話:055-952-6126
営業時間:10時~19時
休業日:水曜日

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