稲取にある素盞嗚(すさのお)神社(賀茂郡東伊豆町)で3月3日、「素盞嗚神社雛(ひな)壇飾り」が始まった。
稲取地域は江戸時代から、母や祖母などの手作りによるひな人形をつるす「つるし飾り」が飾られる風習があり、その発祥とされている。同所では2月上旬~3月3日の桃の節句を中心に数多くのイベントが開かれ、観光客を楽しませている。
今回のイベントは昨年に引き続き2回目。神社の参道にある階段をひな壇に見立て、ひな人形を飾る。昨年までは60段ほどだったが、好評につき規模を拡大。今年は鳥居から本殿までの117段の階段をひな人形が埋め尽くした。
使われるひな人形は計368体で、そのほとんどは主催する稲取温泉旅館協同組合の声掛けによって集められたもの。嫁ぎ先などで使われていなかったり、廃棄される前のひな人形が第2の舞台に立っている。
イベントを企画した稲取温泉旅館協同組合の田村佳之事務局長は「つるし飾りは有名だが、それだけでなく観光客が多く訪れる仕組みとして考えた」と話す。ひな飾りは組合の会員が毎日設置・撤去するもので、「今日は5人がかりで2時間ほど掛かった。期間中は交代制で行うが、足がパンパンにならないか心配」と笑う。
展示時間は10時30分~15時(予定)。雨天中止。今月13日まで。