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三島で谷川俊太郎展 詩友・大岡信さんの故郷で開催へ

立体造形となった自作「自己紹介」を前に、挨拶をする谷川さん

立体造形となった自作「自己紹介」を前に、挨拶をする谷川さん

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 大岡信ことば館(三島市文京町)で9月22日、詩人の谷川俊太郎さんにスポットを当てた企画展「谷川俊太郎展・本当のことを云(い)おうか」が始まった。

谷川さんの「朗読」に耳を傾ける親子

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 谷川俊太郎さんは1931年生まれ、現在84歳の詩人。1952年に処女詩集「二十億光年の孤独」を刊行して以来60年以上現代日本詩の第一線で活躍している。詩作のほかに歌の作詞、脚本やエッセーなどの執筆も手掛ける一方、「マザーグースのうた」など海外の絵本を紹介する翻訳家としても知られている。

 同展は谷川さんの「二十億光年の孤独」の初期詩作ノートや作品制作を言葉を立体造形したもの、劇作家の寺山修司さんとの映像作品「ビデオ・レター」、イラストレーターや画家とのコラボレーション作品展示する。展示物の中には、谷川さんの幼少期からの趣味という飛行機模型や、コレクションのラジオ展示など、作品だけでなく、谷川さんの関連資料113点を掲示している。

 同展には、円柱の筒の下に谷川さんの朗読を聞かせる展示装置などユニークな作品もあり、小さな子どもたちは谷川さんが発する言葉に耳を傾けていた。同展に参加した市内在住で中学校教諭の齋藤真子さんは「通常は読むことで感じる詩たちが、視覚や聴覚などで感じることはとても楽しい。普段は敷居の高いと思う展示会が、2歳の娘も楽しめてうれしい」と話す。

 谷川さんは今回の展示について、「今までの展示の中でも立体造形など、言葉を形にした作品はあったが、趣味のラジオコレクションや、飛行機の模型に目を向けたものはなかった。展示物を見ていると、展示ごと持ち帰りたいほど気に入った」と話す。

 詩人の大岡信さんと谷川さんは詩を通した友人関係。谷川さんは「自身が兄貴のような存在で、大岡さんとはもっとも交流のあった『詩友』。彼の名前のついた施設で展示会ができて、とてもうれしい」と話す。

 谷川さんの独特の言葉づかいや、約60年にわたる詩作活動について、「メッセージを伝えようと作ることはなく、言葉の組み合わせを楽しく行っているだけ。素材を合わせてドレッシングをかけ、おいしさを表現する『おいしいサラダ』を提供している。理解を求めるというよりも言葉の『おいしさ』を提供しているようなもの」と話す。

 10月29日には谷川さんと音楽家で息子の谷川賢作さんとの朗読会も行われる予定。入館料は大人=1,000円。月曜休館。12月25日まで。

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