沼津港に隣接する複合商業施設「港八十三番地」(沼津市千本浜港、TEL 055-954-0606)で8月29日、バルイベント「港八十三番地バル&夜店市」が開催される。
同施設は地元の水産加工会社である佐政水産(同)が運営する複合商業施設で2011年12月にオープン。同社が運営する沼津港深海水族館の周辺を取り囲む飲食店や土産店8店舗で運営。店舗には浜焼き専門店や丼専門店など沼津の魚介類を使用した店舗が軒を連ねる。
バルイベントは、店舗の周囲に輪投げやヨーヨー、射的などの夜市ブースを出店するほか、運営店舗では前売りされているチケット(2枚1,000円)でドリンクと店舗オリジナルメニューを楽しめる.。出店店舗のひとつである「浜焼きしんちゃん」では、ビールとエビや地魚などの4品のセット販売なども行う。
同施設を運営している佐政水産の4代目となる佐藤慎一郎専務は「沼津港といえば全国的に有名だが、価格も観光地価格であり、営業時間も夕方までと地元の人が訪れる機会がなかった。水産業を営んでいる自分らのノウハウや流通網を使って、地元の人が訪れる沼津港を作りたかった」ときっかけを話す。
施設オープン当初は認知が低く、来場者数が伸び悩むことがあったが「認知のために投資を行い、来店者がいなくても22時の終了時間まで営業を続けた。その結果、地元の来場者たちが増えた」と話す。また親子カフェなども設置することによって、地元家族の利用客促進を積極的に行っている。
また深海魚などを使ったメニューの提供などにより、通常は使われなかった魚の流通にも貢献。佐藤さんは「普段は使い道のない魚が水族館やメニューによって脚光を浴びて、自社が扱う価格も上がり売り上げにも貢献している」と話す。
同施設オープン前の売り上げは約40億円だったが、現在は相乗効果もあり70億円程度の成長へとなった。「地域貢献として運営を唱(とな)える人もいるが、自社の利益や収益がないと施設運営は続かないのではないか」(佐藤専務)とも。
今後については「沼津の駅からの導線をよくしていき、漁港というテーマパークとして、多くの人に楽しんでもらいたい。水族館や商業施設だけでなく、サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフのような、街の活気があるような姿にしたい」と話す。
夜店市は16時~20時。バルは17時~22時。