プラサヴェルデ(沼津市大手町)で1月10日、新成人の晴れ着姿を無料撮影する「成人式の思い出撮影会」が行われた。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため「二十歳の集い」の式典が1951(昭和26)年の開催以来、初の中止が昨年の12月23日に決定され、恩師からのメッセージ動画がユーチューブで配信されることとなった沼津市。
この対応に対して、地元有志らが「新成人のおもいでを守る実行委員会」を結成し、10人以下の新成人のグループをプロカメラマンが無料で撮影する企画が実施された。
企画は 1グループ約15分で集合写真を撮り、撮影したデータはLINEで参加者全員に送信する。当日は完全予約制でおよそ200人の申し込みがあった。当日開場となった1階ホール前では感染防止対策として検温やマスク着用、手指の消毒、撮影中の会話の禁止などを徹底した。
実行委員長で「大田呉服店」(沼津市高島町)の大田紀人社長は「一生に一度の成人式。自分自身も成人式の思い出が今でも鮮明に残っている。スタッフからの『新成人のために何かやってあげたい』の声を受け、アイデアを練り撮影会を企画した」と話す。
カメラマンの船津学さんは「参加者はマスクの着用や密の回避など、自らルールを守り行動してくれた。コロナ禍の厳しい局面だったが新成人の笑顔を見ることができて、実施してよかったと思った」と笑顔を見せた。
市内から参加した新成人の吉村愛梨さんは「去年から着付けの予約をしていたので、この撮影会のために晴れ着を着ることができて、中学卒業以来の友達にも久々に会えてうれしかった」と話し、「将来は助産師か産婦人科など勤務し子どもに携わる仕事をしたい」と笑顔で抱負を語った。
大田さんは「成人式が中止され旧友との再会の時間を奪われた新成人や親御さんの気持ちを考えると胸が痛むが、この撮影会が素敵な思い出になってくれたら。この触れ合いを大切にしていってほしい」と話す。