沼津港大型水門びゅうお(沼津市千本)で9月7日、点検のため水門扉の開閉テストが行われた。
同施設は東海地震の津波や台風による高波を想定し、湾港を守るために造られた施設。1996(平成8)年に調査設計に着手し、8年の歳月と43億円の事業費をかけ、2004(平成16)年に運用が開始された。
施設の水門扉は長さ40メートル・高さ9.3メートル・総重量は406トンで国内最大級。これまで地震による水門扉の閉鎖はないものの、台風による高波を考慮して閉鎖した経緯がある。門扉は動作開始からおよそ5分で閉められる設計となっていて、およそ5.8メートルの津波・高波に対応できるという。
この日の門扉の閉鎖は年に2度の定期点検のためで、通常3月上旬と9月上旬の年に2度行われるもの。この日は午前と午後の2度開閉され、動作の確認がされた。
水門扉の開閉を見学していた40代の男性は「あれだけ大きなものが動くのを見るのは壮観。現在は新型コロナウイルス感染症の影響で閉館していたが、上の展望台から見学したかった。土木や機械ファンにはたまらない光景だと思う」と感想を話す。
水門を管理する静岡県土木事務所の担当者は「今は観光目的の開閉は考えていないが、市民の生命や財産を守る大事な水門扉。その存在を多くの人に知ってもらい、防災の意識を高めるきっかけになってくれれば」と話す。
施設の展望部分は現在、緊急事態宣言を受けて閉鎖中。