杉光園芸(沼津市井出)で現在、クリスマスローズ開花株の出荷準備が進んでいる。
1971(昭和46)年に杉山光伸さんが創業した同社。1981(昭和56)年ごろからクリスマスローズ生産を始めたという。広さ約1000坪のビニールハウスでクリスマスローズ約60品種を取り扱い、クリスマスローズの苗約10万ポット、開花株約2万5000ポットを毎年全国に向け出荷している。
2代目社長の智紀さんは大学卒業後、「愛知豊明花き地方卸売市場」(愛知県豊明市)で経験を積み、2015(平成28)年に家業を継ぐため帰郷。2021年4月に社長に就任した。
智紀さんは「比較的暖かい沼津の地の利を生かし、育種と生産を行っている。『杉山交配』のクリスマスローズは耐暑性に優れ、丈夫で園芸初心者の方でも簡単に育てることができる」と自信を見せる。
「20年ほど前にあったクリスマスローズブームの時は、色がはっきりした珍しい品種が人気だった。ブームより前から、今も丈夫さを守る交配を続けている。種から育てる実生交配は何が出るか分からない面白さがある」とも。
「取引先の生花店とコミュニケーションを取り、サイズや色、仕立てなどの意見を聞いている」と話す智紀さんは「今年はクリスマスローズ需要が高い。品質の良い物だけを出荷する父の代からのこだわりを大切にしている」と笑顔を見せる。
「プラント・ポシビリティ」との名で、植物に関するワークショップを開いている智紀さんは「父が作り上げた園芸農家の歴史を自分の代で終わらせたくない。継続するために進化していきたい。守るだけでなく、新しいことにも挑戦していきたい。園芸未経験者が植物に触れるきっかけ作りや、植物の可能性を見出す活動としてワークショップを企画している。園芸や植物を暮らしの一部として気軽に楽しんでもらえたら」と呼びかける話す。