コーヒースタンド「STAND 介(かい)」が10月18日、沼津市東椎路にオープンして1カ月がたった。
勝亦建設(沼津市東椎路)敷地内の物置小屋だった約5.5畳のスペースを改装した同店。四代目の勝亦宏気さんの妻の睦さんが経営を手掛け、コーヒー、自家製シロップジュース、おやきなどを提供する。
宏気さんは「沼津のカフェの新店舗を建てる仕事をした際、70代の高齢の夫婦が店を始める様子を近くで見ていて、何かを始めるのに年齢は関係ないと感じた。学生時代からカフェや喫茶店が好きで、いつか自分たちの店が持てたらと夢見ていた。ウッドショックの影響で建設の仕事が減り、始めるのなら今だと思った」と話す。
同店の建築資材は、祖父が保管していたケヤキなどの端材を活用した。宏気さんは「今そこにあるものを使って、木の温かみを感じられる空間に仕上げた」と話す。店名については、「紹介・仲介などの人同士をつないだり、介護のように助けたりする意味がある。誰かの何かの助けになるような場にしたいという思いを込めた。介の字が家のように見えるのも決め手となった」と宏気さん。
睦さんの出身地の長野にある自家焙煎コーヒー店「ヤマとカワ珈琲店」(長野市)からコーヒー豆を仕入れ、グアテマラ産の深いり、ペルー産の中深いり、タンザニア産の中いりの3種類のコーヒーを提供する。
「おやき」は睦さんが毎朝手作りし、定番の野沢菜をはじめ、やまがた園(沼津市東椎路)の沼津ねがた白ネギと、赤池精肉店(沼津市新宿町)の豚ひき肉を使った「季節のやさいおやき」、長野県産リンゴを使った「りんごとさつまいも」(以上、100円)など季節ごとに具材を変える。
睦さんは「おやきは長野の祖母が作ってくれたソウルフードで給食にも出ていた。義祖母が畑で作る野菜や、庭になるミカン、梅、レモン、オレンジ、キンカンなどの果物を活用したオリジナルのおやきを提供していきたい」と話す。
宏気さんは「主にテークアウト形式だが、庭やハンモックでくつろげるようにしている。地元沼津茶を活用したメニューなども今後開発し、ほんの少しでも地産地消の循環をさせていけたら」と話す。睦さんは「居心地の良い空間を提供し、何回も来てもらえるようなメニュー作りにも取り組んで行きたい。主人も私も二級建築士なので、家での困りごとなどがあったら気軽に相談に来てほしい。子どもの予定などによって急きょお休みしてしまうこともあるが、息子がもう少し大きくなって手がかからなくなったら、夕方から酒を提供したり、週末営業にも力を入れたりしたい」と意欲を見せる。
営業時間は10時~16時。火曜・土曜午前定休。