沼津魚市場(沼津市千本港町)で5月15日、イベント「ひものファン感謝デイ」が開催される。主催は沼津ひものブランディング推進委員会(蛇松町)。
沼津港は日本でも有数の干物の産地として知られ、静岡県の資料によると2019年のアジの干物の生産量は全国1位を誇る。しかしアジの漁獲高・日本人の魚の消費減少に伴い、生産者数も減少。近年は後継者不足も重なり、最盛期には300軒近くあった干物加工業者数も、現在はおよそ60軒に減った。
今回のイベントは市内の干物の認知の向上とブランド化を目的に、干物加工業を中心とした「沼津ひものブランディング推進委員会」が主催する。推進委員会会長でヤマカ水産(志下)社長の小松寛さんは「世界に誇るうまみ食材である干物を広く届け、沼津の干物文化を後世につなげていきたい。同時に、本気の『沼津ひもの』のおいしさと作り手の思いを知ってもらいたいと考え、イベントを企画した」ときっかけを話す。
イベントでは、市内で事業を行っている9つの干物業者が塩のみを使って干したアジの干物を食べ比べて、夕食用・朝食用・贈答用・ビール用・日本酒用の5種類の用途に合わせた品評を行い、グランプリを決める。審査委員長には会席料理店「分とく山」(東京都)の野崎洋光さんが担当。野崎さんは審査のほか、干物を使ったメニューの試作なども行う。
会場内では品評会のほか、干物を現地で焼いて食べることができるバーベキューブース「FIREPARK」、伊豆半島の食材販売ブース「UMAI-MARKET」などを設置する予定という。
現在、推進委員会はクラウドファンディングで運営資金を募っている。返礼品には品評会の出品者たちをインタビューした冊子や、バーベキューブース参加権、野崎さんの試作品の試食など、イベントに参加体験できるものや、品評会に出品される干物などが並ぶ。
開催時間は10時~。入場無料。荒天中止。