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沼津・消防団詰所にシャッターアート 中学生画家と団員が深海魚描く

完成したシャッターアートと鈴木さん(中央上)と消防団員

完成したシャッターアートと鈴木さん(中央上)と消防団員

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 沼津市消防団第5分団詰所(沼津市我入道)のシャッターアートが6月5日、完成した。

沼津市消防団第5分団詰所のどこかにある「隠れボラ」

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 同シャッターアートのデザインは、沼津市公認「おさかなアートクリエーター」で沼津市立高校中等部1年生の鈴木翔太さん(12)が手がけた。鈴木さんは、2歳から自動車などの絵を描き始めたという。小学校に上る前に深海魚に興味を持ち、小学1年生の時に出品した絵画が展覧会で入賞。2017(平成29)年8月に市内のコンビニエンスストアの壁に深海魚の絵を描き注目を集めた。2020年6月に市から「おさかなアートクリエイター」の任命を受け、その後も「しながわ水族館」(東京都)や沼津市との友好都市中国岳陽市での個展など、活躍の場を広げている。

 詰所の縦2.5メートル、横3.5メートルのシャッターには、タチウオやマンボウ、サメ、メンダコ、ウツボ、ダンゴウオなどの深海魚の絵が描かれている。

 同団の芹沢仁分団長は「12年ほど前にこの詰所が建てられた際、シャッターには我入道の渡し船のシールが貼られていた。日光や雨などの影響でシールが老朽化し剥がれてきたので、新しく塗り替えようと思っていた。沼津港の『市場めし食堂』の壁画など、いろいろな場所で翔太君の絵を知る機会があり、我入道の主力魚種のタチウオを描いてほしいと依頼した」と話す。

 4月上旬からシャッターアートの制作を始めた。鈴木さんは、学校が休みの週末を利用し、約60時間かけて完成させた。色付けには同分団の全メンバー10人も参加した。芹沢さんは「ハケを使ってペンキで色を塗るのは小学生の時以来。最初はうまくできず苦労したが、でき上がってみると感無量。迫力のある作品に仕上がった」と笑顔を見せる。

 鈴木さんは「最初は真っ白なシャッターに日光が反射してまぶしくて大変だった。梅雨に入る前に仕上げたいと、急ピッチで作業した。以前描いたタチウオよりも上達していると思うので、その違いも見比べてもらえたら」と話す。

 完成した作品には「隠れボラ」などの遊び心も。鈴木さんは「来年の夏には北海道札幌市での個展を控えているので、明日から作品制作に取りかかる。期末テストもあるが、両立して頑張りたい」と話す。

 芹沢さんは「足を止めて翔太君のシャッターアートを見て、元気になってもらえたらうれしい。沼津市内に40ある消防分団の中で人数が少なく小さな第5分団だが、このシャッターアートをきっかけに、消防団活動にも目を向けてもらえたら」とも。

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