サッカーJ3アスルクラロ沼津のMF伊東輝悦選手が9月3日、鹿児島ユナイテッドFC戦に出場し、自身の持つJ3最年長出場記録を更新した。
今季プロ30年目となる伊藤選手は現在48歳。現役最年長選手としては、1位の三浦知良選手に次ぐ記録を持っている。
伊東選手はJリーグ初年度の1993(平成5)年、清水エスパルスでプロデビュー。その後、ヴァンフォーレ甲府、AC長野パルセイロ、ブラウブリッツ秋田を経て、2017(平成29)年からアスルクラロ沼津に加入している。1996(平成8)年のアトランタ五輪・ブラジル戦では決勝点を挙げ、「マイアミの奇跡」の立役者となった。9月3日現在、国内リーグ通算558試合に出場している。
伊東選手は、「(記録は)特に意識していない。今までと変わらず、試合に向けてやれる準備をして、いい試合ができるように努力するだけ」と話す。「日々のトレーニングは昔と変わらずやっているが、若いころと異なり無理せず体調を気にしながら進めている。サッカーのベースは走ることなので、正直しんどいこともある。年齢と経験を重ねたことで、試合中の動きのメリハリや頭の中での整理ができるようになった」とも。
8月31日に48歳の誕生日を迎えた伊東選手は「息子と誕生日が同じ日なので、自分の誕生日を祝ってもらうより息子の誕生日を祝う日になっている。息子も中学3年生になり、子どものころのようなパーティーをやらなくなってきた。今年はケーキの準備を忘れていて、店に行き急きょ作ってもらった」とほほ笑む。
「妻と息子には感謝している。妻からは『いつまでサッカーやってるの』などと言われたことは一度も無く、甲府や長野、秋田そして沼津、全部一緒についてきてくれた。大したもんだ」とも。
「一つ一つのプレーやゲームの駆け引き、勝ち負け、シーズンごとのチームの順位など、サッカーの全てが楽しい」と伊東選手。「地域の人たちに支えられてプレーができている。チームとしていいゲームをして勝ち、応援してくれる人に試合で恩返ししていきたい」と意気込む。
「いつまでも現役でい続けることは不可能。いずれは辞めるが、辞めた後のことは現時点ではまだ考えていない。48歳で現役選手という、こういうタイプのサッカー選手がいても面白いのではないか。テレビなどで見るサッカーもいいが、スタジアムに足を運んで、試合の空気感や試合前の出店ブースなど、非日常を感じてもらえたら」とも。