フェルトのマスコット製作者・浅原きよゑさんの作品展「ぼけぼー10周年!ありがとう!展@omusubi」が11月12日から、ギャラリースペース「omusubi(おむすび)」(沼津市内浦三津)で開かれる。
1927(昭和2)年生まれで沼津市在住の浅原さんは現在95歳。近所の知人からフェルトで作る手芸キットを譲り受けたことがきっかけで、85歳からマスコット作りを始めるようになり、これまでに約5000個を製作した。孫でイラストレーターのシガハルカさんが「ぼけぼー」と名付けた。
浅原さんは「昔から、もらった古着を子ども用にお直ししたりバザーに袋物などを作製したりと、作ることが好きだった。誰かが面白そうなことをしていると、自分もやってみようと手を動かしていた」と振り返る。「当初は仕上がったものが変で自信がなく、来客があると急いで隠していた。作り続けるうちに作品の完成度もだんだん上がり、次第に孫や他の人に見せるようになった」と話す。
型紙は使わずフェルトを切りながら頭の中のイメージに近づけていくという浅原さん。マスコットの刺しゅうやパーツの取り付けは綿を詰めて立体にしてから行うのがこだわりだという。
浅原さんは「近所の人にプレゼントしたものがどんどん広がっていき、評価を得ることがとてもうれしかった。小学1年生に贈り、お礼に手紙をもらったこともある」とも。
「せっかく作っても、ずっと箱の中にしまったままではつまらない。使ってくれる人がいるから、楽しく作ることができる。長生きしている間は、ぼけぼーを作って『やれ、これは変な顔だな、これはかわいいな』など考えて楽しみたい。同じように作っても、みんな違う顔になるのが面白くて続いている。ぼけぼーのおかげでぼけずにすんでよかった」とほほ笑む。
開催時間は11時~14時(土曜・祝日は15時まで)。入場無料。日曜休館。今月23日まで。