誠恵高校卒業生の西島結太さんと山内丈士さんの卒業陶芸作品が、「二科展」に入選した。2人の作品は国立新美術館(東京都港区)で9月4日に始まった「第108回二科展」で展示されている。
2人は同校芸術コース2023年度の卒業生。伊東南中出身の西島結太さんの卒業陶芸作品「encounter」と、沼津第四中出身の山内丈士さんの卒業陶芸作品「集跡」が静岡県で唯一、「二科展」彫刻部に入選した。彫刻部入選59作品中、静岡県は2作品が入選し、2人の作品が静岡県で唯一選ばれた。
西島さんは、昨年の「Mississippi crisis(ミシシッピ クライシス)」に続いて2年連続「二科展」彫刻部に入選。高校生が2年連続で「二科展」彫刻部入賞は、全国的にも珍しい事案だという。
西島さんの「encounter」は、コロナ禍で私たちの生活に必要不可欠になったマスクをモチーフに制作。複数あるマスクと鏡の中に映るマスクで、収束のめどが立たないコロナ禍を表現したという。焼成すると陶磁器になる「陶紙」を使って、リアリティーあるマスクを制作した。
西島さんは「昨年に続いて2年連続で入選できて、とてもうれしい。マスクは陶紙という素材でできていて、とてももろく、制作時には破損が頻発し期限までの完成が危ぶまれたが、何とか形にすることができた。陶芸部として集大成となる作品だったので、このような歴史のある作品展に入選できて光栄」と話す。
山内さんの「集跡」は、変わらない光や影に対して、変化や時間を感じさせる遺跡の朽ちたイメージを意識して制作した。「変化するものと変化しないものの差はとても大きい」というメッセージを込めたという。
山内さんは「土台部分は先生の指導の下、形を整え、簡単に崩れることのない頑強なものとして創造できるように仕上げた。土台の上にある小さな四角を、予備の分も合わせて約70個作り、その中からきれいに四角くなっているものを選別するのがとても大変だった。なるべく統一感を出したかったので、長い時間をかけてこだわり抜いた。たった一つのもののために最大限こだわり抜くということの大切さを実感した」と振り返る。
二科展の展示は今月16日まで。