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沼津で海底貯蔵ビール引き上げ 駿河湾で5カ月熟成

ダイバーによって引き上げられた海底貯蔵クラフトビール

ダイバーによって引き上げられた海底貯蔵クラフトビール

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 「海底貯蔵ビール引き上げ&試飲会」が1月19日、大瀬崎(沼津市西浦江梨)で行われた。主催は静岡県内のクラフトビール醸造所と沼津市・三島市で組織する「東駿河湾クラフトビール地域循環共生圏推進協議会」。

海底から引き上げられたクラフトビールのたる(関連写真3枚)

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 同協議会がクラフトビールを海底貯蔵したのは初めて。「柿田川ブリューイング」(千本緑町)が醸造した「ベルジャントリペル」をプラスチック製とステンレス製のたる2個に計50リットル入れ、2024年8月に大瀬崎沖約120メートル深さ15メートルの海底に沈めて熟成させた。

 イベントには約50人が来場。30リットル入りのステンレス製のたるをダイバーが海底から引き上げた。たるが腐食し穴が開いて海水が混入してしまったため、事前に引き上げていたプラスチック製のたる約20リットルの海底貯蔵ビールと通常保存のクラフトビールの飲み比べセットを来場者に提供した。

 「柿田川ブリューイング」代表で同協議会の片岡哲也さんは「海底熟成ワインは通常の10分の1の期間で熟成するといわれており、クラフトビールでも試してみたいと企画した。海底で熟成したクラフトビールは泡の立ち方がまろやかで、香りも芳醇(ほうじゅん)。ステンレスのたるはチェコ製のものでストーリーもあったので、穴が空いてしまったのは残念だが、記念としてどこかに飾りたい」と話す。

 茨城県から訪れた大場久美さんは「クラフトビール好きのLINEのオープンチャットで、このイベントが話題になっていて、ちょうど家族での伊豆旅行の途中で寄ることができたので参加した。まるでビールに呼ばれているようだと感じた。海底貯蔵のクラフトビールは濃縮されていてまろやかで、通常保存のビールと味が全然違った。気のせいかもしれないが、塩味も少し感じたように思う。クラフトビールの世界は奥深く、とても興味深い」と話していた。

 片岡さんは「今回の反省を生かし、次回へとつなげていきたい。来年度も海底貯蔵を行う。貯蔵する海の場所を変えたり、ラガーやIPAなど別の種類のビールを沈めたり、静岡クラフトビール協同組合所属の14社のビールを持ち寄ったりするなどして、皆さんに楽しんでもらえる取り組みをしていけたら」と意欲を見せる。

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