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沼津の写真館跡にビール工場 地域の魅力発信目指す

できたての1番タンクのクリームラガーを飲む片岡さんとIPAを飲む曽根田さん

できたての1番タンクのクリームラガーを飲む片岡さんとIPAを飲む曽根田さん

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 柿田川ブリューイング(沼津市千本緑町)が3月10日、イベント「neo商店街」でクラフトビール「沼津クラフト」をお披露目する。

 片岡哲也社長は秋田県出身の33歳。高校卒業後、イギリスに留学した際に現地のパブ文化に触れ、カルチャーショックを受けたという。「日本では数種類しかなかったビールがイギリスのパブでは多く存在したことに驚いた」と振り返る。

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 帰国後は都内でビアパブの店員を務めていたが、8年ほど前にビール製造に興味を持ち、当時沼津にあったベアードブルーイングに就職。約8年の修業期間中、ビール製造の全工程を学び、オリジナルビールを製造するほどの腕前となった。

 「当時は、一生ベアードで働こうと思っていた」と話す片岡さんに転機が訪れたのは4年ほど前。ベアードビールの修善寺工場移転だったという。片岡さんは「少量ながら自分のビールを作り、飲み手の表情が分かる事業をしたいと思い、2016年に起業した」と話す。

 起業後に工場物件を探していたところ、片岡さんが住む元写真館のビルオーナーが工場用地として賃貸提供を申し出たという。「なかなか物件が決まらない中、とてもうれしかった。地元から応援をもらえた気持ち」と片岡さん。

 650リットルのタンクは、かつてスタジオのあった2階吹き抜けのフロアに設置し、2018年からビール醸造をスタートした。片岡さんは「近年はクラフトビール好きに照準を合わせたクセの強い味が人気だが、私としては沼津の人々に愛される、バランスのいいビールを造りたい」と話す。

 2月当初、1号タンクで醸造した「クリームラガー」はバランスのとれた味、香り、喉ごしが特徴。現在はクリームラガーと、華やかな香りと強めのアルコールが特徴の「バイカモIPA」の2種類をイベントで販売する予定。価格は一杯=500円。

 現在は3人のスタッフと一緒にビールの製造をしている片岡さん。当初はビール製造販売のみの予定だったが、三島市のビアパブを引き継ぎ、3月6日から「ビア・フィールド」(三島市一番町)の運営も行っている。

 ビア・フィールド店長の曽根田幸司さんは「片岡さんに出会うまではクラフトビールに興味がなかったが、きっかけを通じてビールの奥深さと面白さを知った。この楽しさを多くの人に知ってもらいたい」と話す。

 片岡さんは「ビール製造をはじめ、地元で採れたハーブを使ったジンやトニック、地場産のかんきつ類を使ったリキュールなども提供していきたい」と意欲を見せる。

 イベントの開催時間は11時~15時、新仲見世商店街内(沼津市大手町)で開催する。