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静岡で「クラフトビール協同組合」設立 共同での仕入れ・販売で大手に対抗

設立総会で一堂に集まるブルワーたち

設立総会で一堂に集まるブルワーたち

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 静岡県内のクラフトビールメーカーらが「静岡クラフトビール協同組合」設立総会が5月28日、沼津にあるビアパブ「リパブリュー」(沼津市大手町)で行われた。

設立総会の様子

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 この協同組合は、「リパブリュー」「柿田川ブリューイング」(沼津市)、「マウントフジブリューイング」(三島市)、「蔵屋鳴沢」(伊豆の国市)、「ベアードブルーイング」(伊豆市)の5つのブルワーが中心となって設立した団体。クラフトビールの協同組合は全国でも珍しい例で、県内では初の事例となる。

 設立総会を前に、代表理事で柿田川ブリューイングの片岡哲也社長は「以前からイベントの共催や、お茶をテーマにしたビールを造るなど共創関係にあり、今回は静岡東部で協同組合をつくる運びとなった。構想としては当社が開業する当時からあり、共同組合設立の準備に半年ほどかかった」と話す。

 協同組合は設立総会を経て、法人化の手続きを準備し、この夏までに法人として設立される予定。協同組合では麦芽や酵母の共同購入のほか、オリジナルセットを作りECサイトでの販売などを想定している。今後は廃棄される麦芽かすなどの有効活用や、共同タップルームの運営を行う予定。

 マウントフジブリューイングの會森隆介醸造長は「麦芽や酵母はある一定の量がないと、海外からの購入が難しく、小さなクラフトビール工房では常に悩む問題。共同で購入することでバリエーションが増え、それぞれの味わいが増える」と期待を寄せる。

 設立当初は静岡東部中心の共同組台だが「流通の問題をクリアにしていき、静岡県全体に協同組合を広げていき、最終的にはビールの価格の安定化などを目指していきたい」と片岡社長。近年大手のクラフトビール参入や新型コロナウイルス感染症による逆風に対して、新しい可能性に期待を寄せる。

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