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修善寺で恒例「湯汲み式」 16人の「湯汲み娘」が伝統守る

修禅寺からおけを持ち、湯汲みに向かう湯汲み娘

修禅寺からおけを持ち、湯汲みに向かう湯汲み娘

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 修禅寺(伊豆市修善寺)で4月21日、恒例行事の「湯汲(く)み式」が行われた。

独鈷の湯で湯汲みを行う湯汲み娘

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 1200年ほど前、弘法大師が桂川沿いで病気の父親に子が川の水で体を洗っている姿に感心。それを見た弘法大師が仏具である独鈷(どっこ)杵(=金剛杵)で岩を打ち砕き、温泉を吹き出したことに由来するという。これが現在の温泉郷の由来となり、その弘法大師の月命日である4月21日、弘法大師に感謝するために行われるもの。

 行事には地元・修善寺の若い女性たちから成る「湯汲み娘」らが、独鈷の湯からくみ上げられた温泉湯を持ち街中を行進。湯汲み娘だけでなく、稚児や地元の旅館主など約250人が1時間ほど行進する。

 行事について、伊豆市観光協会修善寺支部事務局長の小暮力睦さんは「正確な起源は分からないが、独鈷の湯から娘たちにお湯をくむおけには1937(昭和12)年に新調した記録があるほど。修善寺温泉では長く続く伝統行事」と話す。

 この日は16人の湯汲み娘たちが独鈷の湯でお湯をくみ上げた。桜をモチーフにした着物を着た湯汲み娘たちは地元出身者や同地域で働く女性が中心。

 湯汲み娘の一人である三須静姫(しずき)さんも今回初参加。「地元出身だったが、大学が東京で湯汲み娘の参加ができなかった。修禅寺の歴史をアピールする手伝いができればと思い参加した」と話す。

 温泉街をパレードした湯汲み娘たちは、その後、本堂に上がり、お湯と一緒にお経を上げてもらった。献湯したお湯は、それぞれの温泉旅館に戻り、湯船に入れられ、温泉宿の安全と商売繁盛を祈った。

 「遠く九州からくる人もいるほど修禅寺の伝統行事になっている。今後も伝統を絶やすことなく、受け継いでいきたい」と小暮さんは話す。

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