沼津蒸留所(沼津市上土町)が11月14日、伊豆の国市生まれのブドウ「ピオーネ」を使った限定クラフトジン「PIONEER(パイオニア)」の販売を始めた。
同蒸留所は、戸田タチバナや伊豆産イチゴ、松崎産レモングラスなど、地域の植物を使ったクラフトジンを季節ごとに展開してきた。今回は伊豆の国市に原木がある「ピオーネ」を使った。
ピオーネは1957(昭和32)年、伊豆の国市出身の育種家・井川秀雄さんが生み出した。1973(昭和48)年に山梨県に権利を譲渡し、山梨県から全国に普及した。2019年産特産果樹生産動態等調査によるブドウ品種別生産量で巨峰に次ぐ2位を記録している。原木は今も同市の畑に残され、孫に当たる加々見宏子さんが守り続けている。
同所を経営する「FLAVOUR(フレーバー)」の小笹智靖社長は「ブドウを蒸留するのは初めて。甘口になるかと思ったがドライに仕上がり、ピオーネの果実感を生かした奥行きのある香り。地元にこんなに素晴らしいピオーネがあることを知らなかった。発祥の地・伊豆の国市の人にも、酒というツールを通してこの魅力を知ってほしい」と話す。
価格は500ミリリットル入り6,600円。350本限定。