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熱海の起雲閣で「消しゴムはんこアート」作家展 消しゴム版画の可能性探る

新作の「Vol II」と消しゴム版画を持つ津久井さん

新作の「Vol II」と消しゴム版画を持つ津久井さん

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 熱海にある文化施設「起雲閣」(熱海市昭和町、TEL 0557-86-3101)で現在、企画展「花鳥風月海猫温泉 津久井智子作品展」が開催されている。

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 消しゴムはんこアート作家である津久井智子さんが現在まで製作した作品の中から35点を展示する同展は。作品の中で使われている消しゴム版の展示、スタンプの体験コーナーや著作なども並んでいる。

 津久井さんは1980年埼玉県生まれ。小さい時からの夢は漫画家で、イラストを描くのは幼少期から得意だったという。消しゴムはんこに目覚めたのは高校生の頃。津久井さんは「木版画と異なり、柔らかくて自由な素材に興味を持った。インクの種類を変えることでさまざまな素材に印刷できるのも魅力」と話す。

 津久井さんは大学卒業後、「象夏堂(しょうかどう)」の雅号で、イベント出展やオーダーメードの消しゴムはんこを製作販売する活動がきっかけとなり、初の著書「消しゴムはんこ。はじめまして」を出版。消しゴムはんこの可能性を追求する本書は、記録的なベストセラーとなり、消しゴムはんこブームを後押しした。

 現在は年間延べ1200人以上が参加するワークショップの講師や、文具メーカーとの商品開発、エッセー漫画の連載なども手掛ける。津久井さんは「消しゴムを通して漫画家になりたい夢もかなった」と話す。

 作品は紙に留まらず、熱海市内にあるホテルミクラスの壁画制作や、今回の新作であり、金箔を貼ったキャンバスに鶴の羽ばたく姿を描いた「Vol II」など意欲的な作品作りを行い、消しゴムはんこアートの新たな境地を探る。

 津久井さんは「消しゴムはんこブームのけん引者」とも呼ばれることについて、「プレッシャーとは思っていない。自身で新しいことを作ったり企画したりすることが好き。まだ誰も作っていないジャンルだからこそ新しい楽しいチャレンジができる」とほほ笑む。

 今後については、「クラフトや雑貨という領域を超えて、さまざまな可能性を見いだしていきたい。この展示会では、その消しゴムはんこの可能性を感じてもらえれば」とも。

 開館時間は9時~17時。入館料は、大人(大学生以上)=510円、高校生・中学生=300円、水曜休館。9月5日・6日は津久井さんによるワークショップを開く予定。9月28日まで。

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