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熱海の文化施設「起雲閣」で写真展-3組の作家が「舞踏会」テーマに

写真撮影を行った荻島さん一家と行貝さん(左)

写真撮影を行った荻島さん一家と行貝さん(左)

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 熱海にある文化施設「起雲閣」(熱海市昭和町、TEL 0557-86-3101)で11月25日から12月2日まで「多賀網代文化展」が開催された。

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 同施設は1919(大正8)年に建築された別荘。実業家の根津嘉一郎や政治家の内田信也の別邸として使われた後、1947(昭和22)年に旅館として創業。山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治など多くの文人が投宿したことでも有名となった。2000年からは熱海市の所有となり、観光施設として開放するようになった。

 施設を使った文化展は今年で5年目。全20組のデザイナーや作家が集まり、作品の展示を行った。同イベントの実行委員長の宿輪吉之典さんは「熱海には作品を発信する作家は多く存在するが、個人で活動する人々が多かった。それが集合してお互い発表の場所を作ろうとしたのがきっかけ。今では多くの作家たちが集まってくれている」と話す。

 今年から写真家の行貝チヱさんによる写真展「行貝写真館『舞踏会』」も開催した。行貝さんは「写真展で見るという行為だけでなく、撮影体験を通して文化展や起雲閣を体験してもらえれば」と話す。

今回の企画では行貝さんのほか、エタブルオブメニーオーダーズのテキスタイル、家具作家の近藤正樹さんの撮影のために制作した椅子など、作家たちのコラボレーションが実現。「舞踏会」をテーマした企画は、同施設の洋館部分である「玉渓」でそれぞれの作品を使用しながら撮影が行われた。

 写真撮影は2時間の間に、来場者とコミュニケーションを取りながらスタイリング、ヘアメイク、撮影を行う。行貝さんは「通常の作品は見るという一方的な伝達が多いが、行貝写真館は参加してもらいコミュニケーションを取る手法。参加する人と作家のコミュニケーションが多様な作品性を生んでいく」と話す。

 今回の撮影に参加した熱海在住の荻島由里子さんは家族3人で撮影を行った。写真撮影を行った感想を「歴史的な場所で記念撮影ができて感慨深い。一生の宝物になった」と話した。

 今後について行貝さんは「今後も参加者を含む多くの人たちと立体的な作品を作っていきたい。今回のような文化的施設などで写真展を行っていきたい」と話した。

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