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下田「千人風呂」が100年 長く愛されるコツは「変えること」「守ること」

床までヒノキでできている「千人風呂」

床までヒノキでできている「千人風呂」

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 下田河内温泉にある旅館「金谷旅館」(下田市河内、TEL0558-22-0325)の名物「千人風呂」が今年で開業100周年を迎えた。

【関連画像】温泉施設内にあるプラネタリウムと5代目当主の今井さん

 同旅館は1867年創業の150年近い歴史を持つ老舗旅館。約2,000坪ある面積には宿泊施設のほか、明治時代から銭湯として使われる家族風呂「一銭湯」、露天風呂や日本最大の木造女湯「万葉の湯」など歴史を感じさせる施設がある。

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 その金谷旅館の名物と言われるのが、長さ15メートル・幅5メートル、深さは最深部1メートル以上ある「千人風呂」。

 その誕生は1915年で、2本の源泉からは毎分300リットルの豊富な温泉が湧き出し、施設内の湯は全て源泉掛け流し。同施設は床や天井、壁面だけでなく、浴槽も全てヒノキを使っている。同館5代目当主の今井浩信さんは「おそらく総ヒノキ風呂では日本で一番の大きさだ」と話す。同施設は男湯になっているが、昔から女湯から女性のみ入れる通路があり、女性も千人風呂を楽しめる。

 同施設は、ピークからは減少したものの年間2万人の利用客がある。この日、キャンピングカーで埼玉県から訪れた50代の男性は「風呂の底までヒノキで、たっぷり湯に浸かる施設はそうない。伊豆に訪れる度にこの風呂を利用する」と話す。

 今井さんは「実際に1000人入った記録はなく、設立当初の当主が多くの人に知ってもらうために付けたネーミングだと思う。当初は温水プールなどもなく、泳げる風呂を目指し『千人』というキャッチコピーをつけたのでは」と話す。同施設はその先代の気持ちを受け継ぎ、浴場施設では珍しく遊泳を「ほかの利用客に迷惑がかからない程度」と認めている。

 1世紀もの間、多くの人に愛される理由について「先代も自身も、常に来場者を喜ばせるためのサービスを行ってきた。当初は床もタイルなどの素材を使っていたが、25年前に浴槽も洗い場も全てヒノキに変更。日本一のヒノキ風呂と当時言われるような設備にしたり、それまでなかった露天風呂や女湯のヒノキ風呂化にも着手したりした」と話しながらも「新しい施設に建て替えるのではなく、古くからある伝統や雰囲気を生かしながら、利用客の満足に応え続けた結果ではないか」とも。

 今後については「ニーズを求めて新しいものを作るのはいったん終了したと思っている。今は100年以上続く施設と風呂の存在自体が無二の存在。この歴史のある建物を大事に守っていき、多くの人に利用されることも利用客の要望に応える一つ」と話す。

 営業時間は9時~21時。宿泊は1泊2食=15,000円~、日帰り入浴は1,000円。

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