伊豆長岡にある「江間いちご狩りセンター」(伊豆の国市北江間)周辺で6月28日、「でろ祭(さい)2014」が開催された。
今年で4年目となる同祭は休耕地を利用し、観光活性化を狙うのが目的。「でろ」とは伊豆地方の方言で泥のことで、当日は泥をテーマとした競技や体験コーナーなどが用意された。
同祭について実行委員の庄司浄道さんは「大人になると泥まみれになって遊ぶ機会もなく、また子どもたちも近年は泥まみれになるチャンスもない。土と親しんでもらい、思い切りはしゃげるようなイベントとして企画した」と話す。
「でろタイムアタック」には県内外から約260人が参加。男女個人の部、団体の部に分かれた選手たちはスーツやコスチュームに身をまとい、記録に挑戦した。
地元建設業組合が整地し、約30メートルの泥コースを作成。約2メートルの山は傾斜角40度の急勾配で「4回の歴史の中でも最大級の難コース。多くのハプニングが生まれると思う」(同)と話すほど。参加者たちは泥にまみれながら同地名産のイチゴをかたどった風船を持ち、ゴールへと進んだ。
当日の気温は30度を超えて、司会席付近では35度を記録。猛暑の中のレースとなったが、参加した神奈川県からやってきた女性は「レース前は暑かったが、かえって泥だらけになりすっきりした」と話す。
男子個人の部は三島市在住の谷高さん(26)が15秒で初優勝。女子個人の部は三島市在住の会社員、木村理さん(29)が27秒36で他を圧倒し優勝した。
木村さんは「友人の誘いで参加したが、まさか自分が優勝するとは思わずとても驚き、うれしく思っている」と感想を述べ、レースのこつについて「なるべく歩数を少なくしながらも機敏に動くようにした」と話す。「来年も機会があれば参加したい」とも。
実行委員の庄司さんは「過去の中でも最も多い人が集まってくれた。童心にかえって無邪気に行えるようなイベントを今後もみんなで作り上げていきたい」と意欲を見せる。