伊豆半島を南北に流れる狩野川で5月21日、アユ漁が解禁され、多くの釣り人たちが集まった。
狩野川は伊豆半島を南北する一級河川で、狩野川水系の全長は約47キロメートルに及ぶ。源流は天城山にあり、豊富な水量が特徴。源流付近ではワサビの栽培が行われており、全国でトップの生産高を誇る。
同地域のアユ漁は毎年5月21日~23日の間に解禁され、全国の解禁日よりも1週間ほど早い幕開けとなる。狩野川漁協組合の千里久勝美事務長は「狩野川はダムや砂防ダムが少なく、海から遡上(そじょう)してくるアユが多く、釣りファンを魅了する場所だ」と話す。
狩野川のアユ漁は、おとりとなるアユを岩場に近づけてアユを釣り上げる「友釣り」の発祥の地といわれている。「友釣りはアユの縄張り意識を利用した釣り方で、魚の習性を熟知していないと難しい。通常の釣りとは異なる奥深さがある」(千里久さん)。
21日早朝には多くの釣り人たちが日の出の解禁を待って川へと入り、友釣りを楽しんだ。
この日、釣りを楽しんでいた静岡市内に住む60代の男性は「狩野川のアユは天然のものも含め、美しい魚が多い。通常の釣りと異なり、アユの動きや習性を学ぶのが難しい。30年も行っているが、まだ極められないのが逆に楽しい」と話す。
アユ漁は12月末まで。