松崎町にある「石部の棚田」で5月21日・22日、ライトアップイベント「石部の灯(あか)り」が開催された。
同地は標高120~250メートルに位置し、約4.2ヘクタールに約370枚広がる棚田地区。同地域の田んぼは東日本でも珍しい石積みの棚田で、2000年から保全活動を開始。現在は棚田オーナー制度を実施し、約100組のオーナーたちやスタッフ、ボランティアたちが協力し、同地の風景を守っている。
同イベントは棚田の認知と松崎町の観光ピーアールを目的としたもので、今回で5回目。棚田を仕切るあぜ道に約1500個のロウソクを設置し、幻想的な風景を演出する。
2日目となった22日には、日没前に約200人の観光客や写真愛好家らが集まり、ベストショットを撮影するために同地に集まった。県内から訪れた写真愛好家は「今日で2日目。棚田の奥に見える駿河湾と、その先の街の明かりを撮影したいと思っている」と話す。
企画を担当した町の企画観光課・斎藤一憲さんは「年々参加者が増え、棚田の認知度が上がってきた。棚田のオーナーになりたいという希望する人の声もあった」と振り返る。「今後は棚田でコンサートを行ったり、冬にはLEDライトアップを行ったりとイベントを考えている。多くの人に棚田の景観を理解してもらい、今後も保全に努めていきたい」とも。