三島市に近い映画館「シネプラザサントムーン」(駿東郡清水町)で11月19日、映画「惑う After The Rain」の全国公開に先駆けた特別上映が始まった。
三島市制75周年記念事業の一環として製作した同映画。三島市民らが中心となり発足した「みしまびとプロジェクト」のメンバーが、地域の未来を担う人材育成を目的に、制作は地域を題材とした映画「ふるさとがえり」「らくだ銀座」などで知られる、「ものがたり法人FireWorks」(東京都)が担当した。
同映画は2014年7月のキックオフから、足掛け約2年の歳月を掛けて完成。今回の製作にはプロの映画制作者のほか、約1万人の地域住民たちが協力した。2016年5月の地域試写会を皮切りに、地元地域の上映会を行い、試写会には3000人を動員。ハノイ国際映画祭ではコンペディション部門に正式ノミネートされ、入賞するなど、国内外での高い評価を得ている。
19日の初回上映には、開場前から来場者の列ができた。長泉町から来た60代の男性は「知人が映画に携わり、魅力について聞いているうちにどのような作品か気になった。とても丁寧な作りで、近年に珍しく心に残る日本映画を見た。自身も家族について考えたい」と話していた。
30代の女性は「家族についてとても感動するエピソードがいくつもあり、何度か涙した。今日は家族で来たが、大事な人と見に来れてとてもよかった。自分の地域として感動したのはもちろんだが、日本の美しい景色がとても印象的だった」と話す。
この日は監督の林弘樹さんの舞台あいさつも行われた。林監督は「この映画の中には、人と人の『間(ま)』を感じてほしいと思って制作した。家族の距離感なども感じてもらえれば。ぜひ家族の美しさや大切さを多くの人に知ってもらいたい」と話した。
11月26日には同館で、「かえで」役を演じた中西美帆さんの舞台あいさつとサイン会を行う。中西さんの舞台あいさつは11時20分の上映会後と、20時20分の上映前の予定。
上映は12月2日までを予定する。