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伊豆・大室山で「山焼き」 春の訪れに人も動物も「そわそわ」慌ただしく

山焼きを背景に「慌てる」動物たち

山焼きを背景に「慌てる」動物たち

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 国の天然記念物である大室山(伊東市八幡野)で2月19日、恒例行事「山焼き」が行われた。

山焼き直後、まだ「落ち着いている」動物たち

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 同行事は700年以上続く歴史あるもので、毎年2月の第2日曜日に開催されるもの。標高580メートルある山肌を全て焼き払う行事は、山の保全と良質なカヤを採取することを目的としたことが始まりとされている。現在は伊東地方の春の訪れを知らせる行事として定着している。

 今年は先週の積雪の影響で1週遅れの開催となった。同行事について主催する大室山山焼き保存会のメンバーの一員は「雪や風、雨など春先の天候は変わりやすい。予定通り行われた確率は半分を割る」と話す。

この日は9時30分から火口付近を焼く「お鉢焼きからスタート。多くの保存会のメンバーが観光客の誘導を行いながら火口内部を焼いた。

 12時になると、開催の花火と共に裾野から火が全体に放たれ、わずか20分ほどで山肌全体を黒く焦がした。東京都から訪れた50代の女性は「昨日はカワヅザクラを体験し、今日はたまたま延期した情報を聞いてやってきた。こんな間近で見られることにとても興奮した」と話す。

 大室山から近い「伊豆シャボテン動物公園」(八幡野)でも、春の訪れを園内から撮影する人が多く見受けられた。埼玉県から来た鈴木直史さんは「子どもたちに動物と触れ合う目的で来る予定だったが、予想外のイベントを見て、4歳になる娘がびっくりしていた。予想外のイベントに嬉しく思う」と話す。

 山焼きについて飼育担当者は「動物は目で確認するよりも、匂いや温度や音で危険を察知することが多い。チンパンジーなど高度な知恵を持っている動物ほど反応は高いが、どの動物もこの行事のときには観客も多いのか、そわそわしている」と話す。

 大室山に近い鳥類の放し飼いコーナーでは、火が迫ってくると動物たちが移動をしはじめたり、鳴き声を出すなど異常を察知した行動に。「とくにこれからの春には産卵を迎えるために、いつもよりもそわそわしているかもしれない」(飼育担当者)と、訪れる春を前に慌てる理由について話した。

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