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三島のワサビ加工品会社が専用おろし板販売へ 地元の異業種企業がタッグ

「わさび」と書かれているおろし板を持つ山本社長

「わさび」と書かれているおろし板を持つ山本社長

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 ワサビ加工品の製造・販売を手掛ける「山本食品」(三島市御園)が3月19日、ワサビ専用おろし板「鋼鮫(ハガネザメ)」の販売を始めた。

細かく「わさび」と刻印されているおろし金

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 1905(明治38)年創業の同社は、土産用商品のわさび漬けのほか、出荷総数700万本を超える人気商品「わさびマヨネーズ」、近年では「わさびオイルふりかけ」などの製造販売を行っている。

 4代目社長の山本豊さんは「地元金融機関の誘いで入った勉強会をきっかけに、地元にある中小の工場などそれぞれの特徴を知ることができた。中小企業の商品加工技術と自社の持つ販売網を合わせて商品展開を行ったのをきっかけに、『3CCブランド』という雑貨販売の店舗を立ち上げ販売してみた」と話す。

 同ブランドが企画・開発を手掛ける商品は、ナット型のカードホルダーや、鏡面加工を利用した手鏡など、60種類を超える。

 山本社長は「いつかこの技術をわさび屋として、何か使えないかと考えていて、今回の商品の開発につながった」と話す。「鋼鮫」の開発には機械の銘板製作を手掛ける「小林金属製版所」(沼津市)のエッジング加工を採用した。薬剤で金属を溶かし細部まで模様を作る技術で、おろし板に細かい凹凸を付けた。

 同商品の特徴は、削る凹凸に「わさび」とひらがなで彫刻されている部分。「当初は星のマークや矢印など様々な模様を研究してきた。模様は200種以上を試し、『わさび』の文字も試行を重ねた。一方向でしかおろせなかったり、模様のわりには全然おろせないなど、模様だけでも数カ月を費やした」と山本社長。

 完成したおろし板は、全方向にすりおろしても平等にワサビがおろせ、きめ細やかなおろしわさびが仕上がるという。山本社長は「ワサビの辛さと香りはアリルからし油成分に由来しており、酸化しないよう、いかに空気に触れさせないかで変わってくる。今回の製品は最高級の鮫肌を使ったおろし板よりも、風味と辛味が自慢」と自信を見せる。

 メインターゲットは「プロの寿司屋」とも。「ワサビの本当の味わいを知ってほしい。ワサビは辛味が苦手という人がいるが、その風味など魅力は本物のおろし金を使わないとわからない。ぜひプロにためしてもらいたい」と話す。

 今後については「昨年から会社のスローガンを『わさびをもっとおもしろく』をテーマに開発を行っている。ワサビのプロとして、今後も多くの魅力を発信していきたい」と意欲を見せる。

 価格は5,000円(税別)。「山本食品」各店舗と、インターネットショップで販売する。

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