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伊豆「伊豆極楽苑」が31周年 子どもの「しつけ」スポットにも

地獄極楽苑を運営する佐藤さん親子と閻魔像

地獄極楽苑を運営する佐藤さん親子と閻魔像

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 伊豆市にある観光施設「伊豆極楽苑」(伊豆市下船原)が5月5日、31周年を迎えた。

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 同園は修善寺から土肥(とい)を結ぶ国道136号線沿いにある観光施設。1階で案内係が館内と地獄について解説した後、2階から体験ツアーがスタートする。館内には、8つあるという地獄を再現したジオラマを展示。館内の装飾物は全て館を運営する家族が制作している。

 案内係の佐藤華扇(かせん)さんは「父の代から孫まで親族によって作られたもの。リアルだったり、かわいげがあったり、さまざまな表情がある」と話す。

 同館設立のきっかけは、華扇さんの嫁に嫁いだ先の両親。華扇さんの義父が、大病になった義母を気遣い、死後の世界を学んだことがきっかけ。その知識を生かしたテーマパークを作ろうと1986(昭和61)年に同施設が完成。現在は案内を行う華扇さんだが「嫁ぐ前までは地獄などに関心が無かった。結婚前までは証券会社に勤務していた」と話す。

 設立当初はドライブインに併設されていたが、現在、ドライブインは無くなった。「あの世のテーマパーク」と名付けられた同施設は珍しい旅のスポットとして、テレビや冊子などで紹介された。「若い人からお年寄りまで多くの人が集まる」(華扇さん)とも。

 現在は、小さい子どもの「しつけ」のスポットとしても使われている同施設。この日訪れた渡辺翔士さん(4)は2度目の訪問。地獄の閻魔(えんま)大王像の前で、夕食前にゲームに没頭しないことを誓い、地獄を後にした。

 地獄を体験した後、翔士さんは「全然怖くなかった」と強がって見せたが、父親の弘さんは「本気で怖がっていたと思う。昨年もここに立ち寄り、誓いを立てた。親が叱っても効かない場合は、ここに立ち寄って新たな気持ちにさせている」と話す。

 現在、館を運営する華扇さんの息子、状隆さんは「小さいころは『地獄の家』『地獄の子』と、からわれたこともあった。しかし、これをきっかけに善悪や日頃の行いを振り返ってもらい、地獄などに興味を持ってもらえれば。今後も深い案内をしていきたい」と話す。

 営業時間は10時~16時。木曜定休。入場料は、大人=600円、中高生=400円、小学生=200円、未就学児無料。

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