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熱海のバラ園が見頃に 45年にわたる「愛」、バラを育てる

バラに囲まれるスタッフたち(左が川上さん)

バラに囲まれるスタッフたち(左が川上さん)

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 アカオハーブ&ローズガーデン(熱海市上多賀)で現在、園内のバラが満開の見頃を迎えている。

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 1989年に「曽我森林自然園」として開業したハーブとバラをメインに扱う同園。庭園の総面積は約66万平方メートル。敷地内には12のテーマの庭園があり、季節を問わず花が楽しめる。

 バラ園には約400種・6000株のバラがあり、現在多くのバラの花が香りを放ち、見頃を迎えている。愛知県から訪れた女性は「満開とは知らなかったが、満開で驚いた。とてもきれいで初めて見るのも多い」と笑顔を見せる。

 同園のバラを管理する園芸チームの最古参スタッフで、45年以上庭園の管理に携わってきた川上勇雄さんは、開園当初からバラの育成に携わっている。

 川上さんは「敷地内にバラを敷き詰めるのではなく、ほかの植物も一緒に育てている。バラをどう見栄えさせるのか、全体で考えている」と話す。川上さんによると、香りの薄いバラの付近には、香りが目立つ香草を植えるなど、見た目だけでなく、香りも楽しんでもらう工夫をしているという。

 「バラの種類や設置した位置だけでなく、周辺に咲いている野草や昆虫、鳥の鳴き声も覚えている」と川上さん。もともと草花に興味があり、同社に入社した当時はホテルから駅へと送迎するシャトルバスの管理者だったというが、植物好きが高じて、現在の仕事に就くことになったという。

 川上さんは「好きではじめていることが仕事になった。楽しく仕事に打ち込んでいる分、苦労も少ない。休みの日は自宅でも庭で花を咲かせている」と話す。「愛情を多く注げば注ぐほど、きちんと形になって出てくれる。それがうれしくて育てることをやめられない」とも。定年後も嘱託職員として、後進の育成に当たっている。

 川上さんは「日本で1番美しいガーデンにしていきたい。それを達成したら仕事を引退しようと思っているが、自分の中で日本一がどこまでか、まだ想像できない」と笑顔を見せる。

 川上さんは現在、出勤日には10時30分から園内のガイドツアーを行うこともある。「花好きの人に囲まれると、自身も勉強になることが多い。多くのバラの魅力を感じに来てほしい」と話す。

 営業時間は9時~17時。入園料は、大人=1,200円、子ども=600円。

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