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伊豆「函南西瓜」出荷始まる 今年は「検査員」の世代交代も

目揃会に挑む長谷川さんと、それを見守る三田さん

目揃会に挑む長谷川さんと、それを見守る三田さん

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 三島函南協同組合(函南町大土肥)で6月5日、伊豆・函南町特産の「函南西瓜(スイカ)」の品質を定める目揃(めぞろえ)会が行われた。

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 昭和30年代前半から栽培が始まったという函南西瓜。栽培農地は海抜80メートルから100メートルにあり、寒暖差が激しいことから、水分の含んだ甘いスイカができるという。

 函南西瓜の特徴について、スイカ農家の栗田稔さんは「ほかの地域のスイカと異なり、水分をしっかり持ちながらスイカの歯ごたえが楽しめる」と話す。現在は8軒のスイカ農家が生産を手掛けており、昨年は約2万3000ケースのスイカを出荷した。

 スイカは出荷時に「秀(しゅう)」「優(ゆう)」「良(りょう)」の3種類に分けられ、この3種のみを「函南西瓜」と呼び、一玉3,000円~5,000円で販売される。それ以外は通常のスイカとして出荷するという。

 出荷品質を出荷者・検査員・市場の3者で決める目揃会では、3種類の品質の線引きを行っている。

 スイカの品質は出荷時に検査員が1人で決めるもので、現在同地区では、職員でキャリア15年以上の三田秀樹さんが1人で決めている。三田さんは「1日で数千個選別することもある」と話し、今年の品質については「春先の天候不良があったが、5月になってから高温が続き甘みのあるスイカができあがった」と話す。

 この日の目揃会は、三田さんに代わって職員の長谷川大輔さん(29)が会の進行を行った。長谷川さんは三田さんに次ぐ2人目の検査員で、シーズン初頭から担当するのは今年が初めて。長谷川さんは「三田さんと一緒にスイカの選別をするようになったのは、約3年前から。昨年の夏の後半からは1人で任せてもらえるようになった。今後はさらに経験を積んで、よりおいしいスイカを提供していければ」と話す。

 三田さんは長谷川さんについて、「前向きに仕事に取り組む青年。今までは1人で動けなかった活動が、今後は2人で幅広い活動が可能になった。函南西瓜だけでなく、多くの函南産の農産品を知らせていければ」と話す。

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