沼津市戸田地区の地域おこし協力隊員・北川和樹さんが7月24日、戸田特産のタカアシガニを使った楽器「タカアシガニリドゥ」のお披露目会を行った。
オーストラリア先住民のアボリジニに伝わる楽器「ディジュリドゥ」にヒントを得て考案したという同楽器。「世界一大きい甲殻類」として知られるタカアシガニは、同地区の特産品にもなっている。
北川さんが手作りした楽器は本体にタカアシガニの足と甲羅を使い、全長は約130センチ。楽器の材料となるタカアシガニは地元のカニ卸業者の協力で得た物。北川さんは「夏の季節にはカニが小ぶりになると聞いていたが、大きい物が手に入ったのも運が良かった」と話す。
北川さんはオーストラリア在住時代にディジュリドゥの演奏と作成法を習得。今回の楽器制作について、「地域おこし協力隊に就任した時から、地域をアピールできるようなものを作りたかった」と話す。
北川さんは昨年10月から地域おこし協力隊の傍ら、飲食店従業員向けに英語教室の開講や、楽器演奏教室、戸田地区の観光PRを目的とした動画制作など精力的に活動している。
楽器は7月24日、英語教室の受講者に初披露したという。「多くの人が不気味と思ったのか、驚いた様子だった。しかし音色を聞いた人たちは感心してくれた」と北川さん。「タカアシガニリドゥ」と名付けた同楽器は、通常のディジュリドゥよりも音域が広く、北川さんは「新しい可能性を感じる」と自信を見せる。
同楽器は今後、地域のイベントや道の駅「くるら戸田」(沼津市戸田)で演奏を披露する予定という。北川さんは「この楽器を使って、戸田の名物であるタカアシガニを知ってもらいたい。地域内だけでなく、多くの人に音色を聴いてもらえれば」と意欲を見せる。