熱海銀座商店街に8月18日、シェアテナント「RoCA(ロカ)」(熱海市銀座町)がオープンした。
同店は以前、熱海のまちづくり会社「machimori(マチモリ)」が運営していた「CAFE RoCA(カフェロカ)」跡に誕生したもの。店舗面積は約54坪で、3つの店舗スペースから成る。
今回のオープンに関して、同社の市來広一郎さんは「カフェオープン時には、熱海銀座商店街の空き店舗対策として活性化を考えていたが、現在の商店街にはゲストハウスなど多様な種類の店舗が入居し、当初のオープン目的が達成できた」と話す。
そのため、カフェを現在同社が運営するゲストハウス前に移転。その跡を3店でシェアする空間に変更し、テナントを募集した。「今後は新たな役割として、熱海の魅力を引き上げる、スタートアップ事業を支援したいと思い、空間をシェアした。シェアテナントの場合、オーナーとの合意や多額な保証金などの心配するハードルが下がるのがメリット」と市来さん。
オープンに合わせて開店したのは2店。エスプレッソなどを提供する「カフェ・バール・クァルト」とイタリアンジェラート専門店「ラ・ドッピエッタ」。
クァルトの店主、加藤麻衣さんは横浜市出身で、自身がイタリアンバルでアルバイトしたことがきっかけで開業を目指すようになった。熱海で始めたきっかけについて、「古いものを生かしながら新しい変化をする街が好きになった」と印象を話す。
同店の看板メニューはエスプレッソ(250円)で、加藤さん自ら豆を厳選するという。「朝一杯飲んで、お昼休憩にも一杯、夜はお酒と一緒に楽しめるような店に。旅行者と地元の人との交流する場所になれば」と話す。
ドッピエッタの店主、太田賢二さんは牧之原市出身。現在は東京・品川でピザ店を営んでいるが「いつかは静岡で事業をしたいと常に考えていた」と話す。
きっかけは、地元サッカークラブ「SSIZU」代表の片岡大輔さんと太田さんの出会い。太田さんは片岡さんのサッカーに対する熱い思いに対して「何か自分も熱さで恩返ししたい」と共鳴し、ジェラート専門店をオープン。店内で働くスタッフには同チームに所属する選手の姿も。
太田さんは「選手生活は人生にとって濃厚だが、とても短い。選手を応援するだけでなく、雇用とジェラートのノウハウを提供することで、選手が活躍しやすいか環境を作っていければ」とも。
同店のジェラートは全て店内で作っており、その数は18種。ジェラートはシングルで450円からで、定番のものから地場産品を利用したものまで幅広いラインアップをそろええる。今後は「より多くの人が喜ぶ素材を提供していきたい」とも。
現在、残る奥のスペース(約20坪)のテナントを募集中。市来さんは「今後、先行2店舗とバランスが取れた店が出店してくれれば。多くの人に訪れてほしい」と食の多様化が進む熱海に期待を込める。
営業時間は10時~18時。木曜定休。