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三島で「だしのポータルサイト」開設 4代目が「だしの魅力」伝える

「だしの魅力を発信し続けていきたい」と新しいサイトを紹介する行雄さん

「だしの魅力を発信し続けていきたい」と新しいサイトを紹介する行雄さん

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 だしや海産物の卸販売を行う沼田(三島市西旭ケ丘町)が、だしのポータルサイト「まいにち、おだし。」を開設して1カ月がたった。

 同社は1934(昭和9)年に熱海の漁師だった沼田茂雄さんが創業した卸問屋。その歴史は80年以上あり、現在は国内の高級旅館やホテル、日本料理店などにだしや海産物・珍味の卸販売を行っている。

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 同店は多くの人にだしの魅力を知ってもらうため、同地にだしの専門店として「おだし香紡(こうぼう)」を併設。全国からよりすぐった80のアイテムをそろえ、毎日異なるだしでとったみそ汁などを提供し、だしの魅力をアピールする。

 店長の沼田みち代さんは「専門店としては国内最大規模。2006年に店舗を移転した際に、それまで地味だっただしにスポットライトを当てたいと思い、パッケージデザインなどにこだわり販売を行っている」と話す。

 今回のサイトは、みち代さんの息子で4代目の行雄さんが自ら企画。サイトのコンセプトからディレクション、原稿の一部の製作も担当したという。行雄さんは「サバやカツオやコブなどだしの種類はさまざまだが、素材を横断して情報を発信しているサイトがないことに不便を覚えた。もっとだしの魅力を横断的に伝えるサイトを作りたいと考えた」と話す。

 サイト内には、煮干しやかつお節や昆布などの選び方や煮出し方などの「おだしを知る」コーナーや、だしを使ったレシピの紹介、同店が行うセミナーやイベント情報など「だし」のみの情報を掲載している。

 サイトオープンから1カ月。行雄さんは「次第にアクセスが伸びていて、現在は減塩をテーマに書いた記事や、だしを使った離乳食の記事などが注目されている。だしについての講演の相談も来ている」と話す。

 行雄さんは小学校の卒業論文で早くも同社の後継者になりたいと書くほどで、高校卒業後にはITを専攻する大学に進学。卒業後は外資系IT企業に努め、退職を機にMBAを取得。大手コンサルティングファームで勤務した後に、にんべん(東京都)の本店でかつお節削りの職人としての経験を経て、同社に帰ってきたという。

 「これからだしを多くの人に知ってもらい、会社を運営するのにはITと経営を学ぶ必要があると考え進路を決めた」と行雄さん。ホームページのリニューアルだけでなく、従業員規則や社内規則の見直しを行うなど働きやすい環境を整える作業に従事している。

 「中小企業の社長にありがちなワンマンな経営ではなく、自身がいなくても回る仕組みづくりが、会社を円滑に機能させ、だしの魅力を発信し続けていく基礎になる」とも。

 現在は、社内制度の改革だけでなく、ブランド力のアップや、ムスリムフレンドリー商品のディスプレーなど、新たなアプローチも行っている。

 今後については「サイトの情報を拡充していくほか、その先には新商品の開発も考えている。その場と時代にあった商品を、自分たちだけでなくよりよいチームで作っていければ」と意気込む。

 店舗の営業時間は9時~18時。水曜・日曜定休。