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沼津・庄司美術館で「山口源没後50年記念回顧展」 「能役者」異版も公開

展示の様子

展示の様子

 「山口源没後50年記念回顧展『人・山口源-流浪と流木、流れ着いた抽象版画-』」が7月11日、「沼津市庄司美術館(モンミュゼ沼津)」(沼津市本)で始まった。

山口源は「マルサン書店」や「旭園」の包装紙など沼津の商店に関わる図案も手がけた = 沼津・庄司美術館で「山口源没後50年記念回顧展」 「能役者」異版も公開

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 2026年は、沼津ゆかりの版画家・山口源の没後50年に当たる節目の年。国際的な版画家としての功績を紹介するだけでなく、後先を考えず各地を放浪し、やがて沼津へ流れ着き、生涯にわたり創作を続けた「人・山口源」の魅力にも焦点を当てる回顧展として企画した。

 展示の目玉は、1958(昭和33)年にルガノ国際版画コンクール展で日本人初のグランプリを受賞した代表作「能役者」。開催準備の過程で、同館収蔵作品が従来知られていた作品とは異なるサイズの「能役者」であることが判明した。静岡県立美術館所蔵作品のデータを基に制作した参考プリントと並べて展示し、寸法や摺(す)り、色調の違いを比較できる構成となっている。作家自身による異版(サイズ違い)の制作が裏付けられたことで、山口源の制作過程や版画表現を考える上で重要な発見として注目を集めている。

 会場には、「石垣」「デルタ」などの代表作のほか、制作に使われていた道具類や資料も展示。山口源のアトリエを再現したコーナーでは、作家になりきって写真撮影ができるフォトスポットも設け、作品だけでなく人物像にも親しめる内容とした。

 山口源は1896(明治29)年、現在の富士市に生まれ、1944(昭和19)年に沼津市江浦へ移住。流木など身近な素材を生かした抽象版画を数多く制作し、「能役者」でルガノ国際版画コンクール展グランプリを受賞するなど、日本の版画を世界に知らしめた一人として知られる。井上靖作品の装丁も手がけた。

 同館統括管理責任者の佐藤智明さんは「山口源は偉大な版画家である一方、破天荒で人間味あふれるエピソードも数多く残っている。作品だけでなく、その生き方や人柄にも触れてもらえる展示。今回新たに確認された『能役者』異版も、ぜひ実物を見比べながら、ご覧いただければ」と来館を呼びかける。

 8月29日には「一日まるっと山口源」を開催。午前は山口源ゆかりの地を巡るまち歩きを行い、午後は沼津市民文化センターでシンポジウムを予定している。

 開催時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館(祝日の翌日は休館)。前期は8月16日まで、後期は8月21日~9月30日で、一部展示替えを行う。入館料は、大人=200円、小・中学生=100円(沼津市内の小・中学生は無料)。

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