交流イベント「TABICRO(タビクロ)vol.1」が7月4日、沼津の飲食店「Numalabo&Bar LIFE」(沼津市添地町)で開かれた。
イベントの様子 = 沼津で交流イベント「タビクロ」初開催 人と地域をつなぐ出会いの場に
「旅の途中で、人と出会う。」をテーマに、沼津に暮らす人と、沼津を訪れる人が互いの思いや価値観を共有し、新たなつながりを生み出すことを目的に企画した同イベント。当日は25人が参加。神奈川、東京、茨城など県外からの参加もあった。
主催した安藤慎悟さんは、地域交流イベント「100人カイギ」をきっかけに沼津へ移住した経験を持つ。「その土地を訪れる人とその土地に住む人が、消費する・される関係ではなく、お互いの思いや熱量を知り、特別なつながりが生まれる場があればいいと思った」と開催の思いを話す。
当日はモロッコ料理の弁当を振る舞ったほか、参加者同士がグループに分かれて自己紹介を行うアイスブレークを実施。「名前」「住んでいる場所」「自分にとっての沼津のイメージ」をテーマに交流した後、地域で活動する坂本沙織さんと鈴木歩美さんの2人のローカルスピーカーと、県外から訪れた山崎真由さんと大井祥紀さん2人のトラベラーが登壇し、それぞれの視点から地域との関わりや生き方について語った。
ジューススタンド「MATAHARI」店主でイベント「39day」主催者の坂本さんは「沼津は生まれ育った居心地の良いまち。外出すれば大好きな人に会える大切な居場所。沼津を訪れた人が、また訪れたくなる空間づくりをしていきたい」と話した。
小学生向けの放課後施設「Afterschool GLADE(グレード)」(沼津市五月町)スクール長で、一般社団法人「icca-icca」理事の鈴木さんは「想像と選択を全ての子どもたちに」を理念に活動している。鈴木さんは、自身の子育て経験を振り返りながら、「地域全体で子どもを育てていける環境をつくりたいと思った。みんな同じじゃなくていい。みんな違うから楽しい。頑張らなくても、自分らしくいられる居場所を地域の中に増やしていきたい」と話した。
県外ゲストのトラベラーとして参加した「アクセンチュア」(東京都港区)勤務の山崎真由さんは「交通や地理的な面で、沼津はさまざまなものが交わる場所というイメージがある。社会人になってからも、このような偶発的な出会いの場があることがうれしく、ありがたい」と話した。
シェアヴィラ「うみとき・やまとき」オーナーで「Treep」(千葉県)代表の大井祥紀さんは、千葉県出身。東京の企業勤務を経て独立し、現在は広島、岩手、沖縄などでシェアヴィラやゲストハウス事業を展開している。大井さんは「コロナ禍をきっかけに、東京に住まなくても生きていけると気付いた。日本の地方はとても面白い」と振り返る。広島の空き家活用から始まった事業では、「ゲストとゲストが出会い、この場所がきっかけで結婚した人たちもいた。人と人が交わる瞬間に立ち会えることが何よりうれしい」と話した。岩手県で取り組む兼業農家としての活動にも触れ、「田んぼが織りなす風景や地域の食文化を残したい。農業だけでは厳しいからこそ、農業とエンターテインメントをかけ合わせ、田植えをしながらDJイベントをするなど、新しい価値を生み出していきたい」と展望を示した。
茨城県から参加した千葉優香さんは「沼津は初めて訪れたが、思ったより都会というのが第一印象だった。移住者と地元の人が自然に混ざり合っているのがすてき。東京にも出やすく、将来的な移住先としても魅力を感じた」と話した。
沼津市から参加者した吉永メグミさんは「今年1月に家族で沼津に移住した。子育て環境が整い、人が温かい。駅や市役所、病院、スーパーが徒歩圏内にあり、車がなくても不自由なく暮らせる。街なかに海、山、川がそろい、商店街も近く理想的な暮らしができている。交流会で登壇者の話を聞き、『やりたいことをやっていいんだ』と思えた。夫がお笑い芸人をしているので、地域を巻き込んだ活動に挑戦したい」と意欲を見せた。
安藤さんは「100人カイギをきっかけに自分も沼津に移住した。肩書きに関係なく、思いを持った人たちがつながる場をこれからもつくっていきたい。TABICROも継続しながら、新しい出会いが生まれるきっかけを増やしていけたら」と話していた。