大岡信ことば館(三島市一番町)で3月26日、企画展「スクウェア・エニックス×Z会 Works of VISUAL WORKS -デジタルアートの最先端-」が始まった。
ヴィジュアルワークス部は、スクウェア・エニックス(東京都)内にある映像制作部門として活動する集団。同社の「ファイナルファンタジー」シリーズや「ドラゴンクエスト」シリーズの映像制作を担当する同部署は近年、社内作品だけでなく、多くの企業・業種とのコラボレーションを行っている。
同展のきっかけも、昨年にことば館の運営会社である増進会出版社(=Z会)のテレビCMの制作によるもの。同展では、映像作品やパネル、「クリスタル」「ジャッジ立像」などプロモーション時に作られた作品など約70点を展示している。
同部ゼネラルマネジャー兼チーフクリエーティブディレクターの行守一行さんは「今回は初の展示会。今までヴィジュアルワークスの仕事の方法、制作工程などを展示している。私たちの仕事のジャンルについて少しでも知ってもらえれば」と話す。
行守さんは1991年、前身のスクウェアにグラフィックデザイナーとして入社。同社の作品「ロマンシング・サガ2」(1993年)のグラフィックや「ファイナルファンタジー14」(2010年)のムービーディレクターを歴任。現在は同部チームをマネジメントしながら作品づくりを行っている。
行守さんは仕事方法に関して、「まずは全体を決めていきながら細部のストーリーを作っていく。その時代や世界観に合わせた細部のデザインを作りながら、その世界の技術力や金属の精錬方法など、作る部品から世界をさらに細かく突き詰めていく」と話す。「そうすると、デザインに対してての説明力が上がる。ただ仕様を説明するのではなく、なぜ、その世界が作られたか、だからこのデザインの部品ができることをチームメイトと共有していく。仕事の指示をするのではなく、共有することはとても大事」(行守さん)とも。
行守さんは入社して13年目で、現在45歳。想像力や表現力については、「年齢を重ねることにより、よりモノを吸収していき、その表現の力は増えていく。一見見たことのないものをゼロから作るように思えるが、そのイメージの源流があり、そこを広げていくこともある。コンピューターが発展していき表現の幅が広がるが、もともとは人間のイメージがあり、コンピューターはそのツール。今回は、そのイメージを作っていくチームの仕事について多くの人が触れてくれれば」と話す。
開館時間は10時~17時(金曜は19時まで)。入場料は、大人=1,000円、大学生=700円、小中高生=500円、未就学児無料。月曜休館。4月24日13時30分からは行守さんの作品解説イベントも予定。