沼津で干物の加工・販売を行うヤマカ水産(沼津市志下)が11月20日、新商品「天才ひもの」の販売を始める。
同社は1912(大正元)年創業で、アジを中心に加工製造を行う。同社の名物であるアジの干物は、国内で水揚げされたアジを使用。干物加工には富士山の伏流水と干物作りに適した徳島県産の塩「鳴門塩」を使った干物を製造するのが特徴。
同社は、伝統的な商品の製造だけでなく、フレンチシェフと開発した「ペッシュール」などの製造・開発にも意欲的に取り組んでいる。
今回開発したのは、京都大学で先進国の食料過剰による健康被害と途上国の食料不足を同時に解決する運動「TABLE FOR TWO」に参加する生徒と同社による共同開発で、アジとサバに脳の働きを活発にするといわれるぶどうポリフェノールを加えたもの。「ポリフェノールにはBDNFと呼ばれる脳細胞を活性化させる成分が多く含まれていて、頭がよくなると言われている」と小松寛社長は話す。
きっかけについて、小松さんは「以前からの悩みである干物の消費減で干物が忘れ去られてしまう危機感があり、何か作れないかと思っていたところ京大生とのつながりが生まれ、京大生とのコラボということもあり頭の良くなる干物を開発したいと思った」と話す。
小松さんは「干物の魅力は、完成しているところ。焼くだけで簡単においしく食べられる。若い世代にも干物を食べてもらいたい。興味本位でも『天才ひもの』を食べてもらい、その魅力を味わってもらえたら」と話す。
価格はアジ5枚入850円、サバ5枚入850円(ともに税抜き)。本店および直売所で販売する。