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三島で野菜リサイクル「サルベジー」企画 「はじかれ野菜」活用し、買い物かごで詰め放題

バスケットいっぱいの野菜を詰め込む岡本さん(左)と前島さん

バスケットいっぱいの野菜を詰め込む岡本さん(左)と前島さん

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 野菜の販売会イベント「サルベジー」が5月9日、DELICA工房&CAFEEBBY(伊豆の国原木)の敷地内で開催される。

廃棄される予定の「はじかれ野菜」

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 箱根西麓三島野菜を中心とした農生産物で、出荷に適さないいわゆる「はじかれ野菜」を格安で提供するイベント。購入者は初回1,000円のオリジナルバスケットを購入し、毎回500円で野菜を詰め放題で購入できる。

 成長しすぎて収穫時期を逃したホウレンソウやロメインレタス、ダイコンなどを出品する。現在さまざまな農家と交渉していて、出品品目は今後も増えていく予定。

 企画を担当する、三島市在住の岡本雅世さんはグラフィックを中心としたデザイナー。かねて三島地域の野菜に興味があり、個人的に取材を重ねているうちに農家との交流が生まれ、廃棄野菜の問題に直面したという。

 今回ホウレンソウなどを提供する前島農園(三島市川原ヶ谷)の前島佳恵マネジャーは「小松菜・ホウレンソウ・ソフトケールを中心に栽培していて、年間生産量は50トン。そのうち3トンは切り捨てる野菜や収穫が間に合わない廃棄野菜で、廃棄業者に廃棄を依頼している」と話す。

 その現状を見た岡本さんは「廃棄野菜を見た瞬間、これは宝の山だと思った。一般流通に乗れば価値が下がるものも味は一緒。この活用をすることで野菜の魅力と農家の現状を知ってもらいたい」と活動を始めたという。

 イベント名とロゴは岡本さん自ら考案。かごや運搬費用は岡本さんの持ち出しで、売り上げから捻出する後払い方式を採用した。岡本さんは「以前まで依頼されるデザイン業務ばかりで、仕事に追い詰められる時期があった。今回はお金や利益を求めず、農家からは野菜を提供してもらい、自分はデザインと企画を提供していく『できること交換』で行っている。収益だけを目的にするのではなく、働きがいや喜びを求めて活動している」と笑顔で話す。収益に関しては「全く考えていない。楽しいこと、役に立つことを先に考えている」とも。

 現在はバスケットの先行販売を行っていて、すでに30個ほどが販売されているという。今後も月に1度程度開催し、定期的に野菜の魅力を伝えていく予定。岡本さんは「栄養価も味もしっかりしている農家の野菜を、地元の人に届け、今後は加工品などを通してロスの少ない楽しい社会にしていければ」と展望を話す。

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