水産物の加工・販売を行う「加倉水産」(沼津市獅子浜、TEL 0120-03-3237)が現在、季節商品「節分イワシ」を販売している。
同社は1934(昭和9)年創業の水産加工会社。現在は、4代目に当たる石垣浄治さん(45)と妻で同社3代目・加藤正忠さんの三女に当たる石垣優子さんが中心となって会社を切り盛りしている。
優子さんは獅子浜の生まれで、東京でファッション誌などの編集者をしていた。浄治さんと結婚後、2011(平成23)年の東日本大震災をきっかけに拠点を沼津に移し、浄治さんは加倉水産に入社。追って2015(平成27)年に優子さんが入社した。優子さんは「自らの方法で干物に付加価値を付けて販売することはできないかと考えた」と言う。
石垣さん夫婦は商品を市場に卸すことやめ、ギフト用の通販一本に絞った。ギフト用のカタログの編集は、優子さんが編集経験を生かして行う。「いかにモデルの魅力を引き出して見せるかは、魚も人間も基本は変わらない」と笑う。年末と中元の季節などは一度に数千箱を出荷することもあるという。
節分イワシのギフトセットは、国産のイワシ丸干しと同社で加工したイワシしょうゆ干しの2種を同梱する。イワシは全て浄治さんがさばき、味付けや加工は家族総出で行っているという。浄治さんは「節分といえば豆に目が向きがちだが、イワシを焼く煙は邪気を払うとされている。昔ながらの食文化や魚文化を伝えたい」と話す。
3日に届けるために2日午前中まで注文を受け付けるほか、地元住民向けに新聞販売店「NewStand」(沼津市大手町)で販売も行う。優子さんは「手渡しになるので発送代金を値引きできる。この機会に干物の魅力を知ってもらえれば」と呼び掛ける。
価格は、マイワシ丸干し2本・マイワシのしょうゆ干し6本が入った「真イワシ詰め合わせ」=2,500円(送料込み)、マイワシ丸干し4本・マイワシのしょうゆ干し6枚・由比産釜揚げシラス(100グラム)が入った「真イワシづくし」=3,300円(同)。NewStandでの販売は「真イワシ詰め合わせ」=1,600円、「真イワシづくし」=2,400円。